エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.388
2015.01.10 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
前述通り、HDDケージタイプの2.5/3.5インチ共用シャドウベイは底面固定。その上段部分から5.25インチオープンベイまでは、空きスペースとして確保されている。フロントパネルからリアパネルまで、最も長い距離を存分に利用できるこの空間こそ、拡張カード用の搭載スペースになるワケだ。
主にグラフィックスカードを搭載するスペースとして用意されている空間は、公称値で450mm。以前検証したNVIDIA GeForce GTX 980搭載の大型オリジナルクーラーモデルでさえ、全長300mm程度だけに、400mmオーバーの空きスペースは十分過ぎるだろう。
拡張カードの有効スペースは公称450mm。長さ270mmのグラフィックスカードを搭載してみると、かなりの余裕がある事が分かる | |
フロントパネルから搭載したグラフィックスカードの末端までの距離は、突起部を含み実測で約140mmだった |
最後にケーブルマネジメント機構の使い勝手について触れておこう。作業は各構成パーツに接続したケーブルを、最も近いスルーホールから背面スペースに引き回し、結束バンド等を使って束ねるだけ。マザーボードトレイとサイドパネル間の裏配線スペース20mmは十分で、比較的無造作に束ねてもキレイに配線する事ができた。そもそもケーブルマネジメントは、PCケース内部の余ったケーブル類を背面スペースに追いやり、見栄えとエアフロー効率を少しでも向上させようというもの。近頃のPCケースは結束バンドを固定するフック等も装備されており、誰でも手軽にケーブルマネジメントを行う事ができる。
要所に装備される結束バンド固定用フックやスルーホール。CPUクーラーカットアウトの隙間なども使い、裏配線を行う事ができる |
国内では2013年7月から発売が開始された「330R」。そのマイナーチェンジモデルという位置付けとなる「330R Silent」は、モデル名が表す通り、先代より静音志向の強いミドルタワーPCケースにバージョンアップされた。従来の装備品であるフロントドアと両サイドパネルの内側に貼り付けられた「吸音材」、およびトップ部に装着された「サイレントカバー」。これに最大3基の冷却ファンが制御できる「3段階式ファンコントローラー」を追加装備し、静音PCケース「330R」シリーズがここに完結したというワケだ。
静音志向をより鮮明にしたPCケース「330R Silent」 |
内部パーツ同士の物理的干渉を回避する、無駄のないシンプルな内部設計は、組み込み易さにも貢献する。ライバルひしめく売価1万円台前半のミドルタワーPCケースの中にあって、静音マシンが手軽に構築できる「330R Silent」は、実に手堅い選択肢のひとつだ。CORSAIRらしいクオリティの高さも、大きなアピールポイントである事を付け加えておかなければならない。