エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.389
2015.01.16 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕 / 池西 樹(テストセッション)
続いて「CPU温度計測」時のファンの回転数を確認しておこう。なおファンの回転数は「CPU温度計測」と同じく「HW Monitor」にて取得している。
ファンの回転数 |
定格ではアイドル時と高負荷時で、回転数に約250rpmしか差がなく、冷却性能にはまだまだ余力がある状態。動画エンコードのような、高負荷作業を連続して行うようなユーザーには「AquaChanger 240」は魅力的な存在となるだろう。次に4.60GHz時の結果を確認すると、負荷が切り替わる瞬間にほぼ最高回転数となる2,394rpmを計測。その後も温度に合わせて1,700rpm~2,300rpmの間をウロウロしており、TIMが改良されたとはいえ、Devil’s Canyonのオーバークロックでは、発熱に十分注意を払う必要がある。
テストセッションのラストは、騒音値について検証していこう。こちらも回転数テストと同様に「CPU温度計測」実行時の騒音値を、デジタル騒音計で測定している。なお室内騒音値は32.8dBAだった。
騒音値/暗騒音32.8dBA |
定格では高負荷時でも回転数の変動が小さいため、ノイズレベルの変化もごくわずか。風切音もほとんど聞こえることはなく、極静音のまま淡々と動作する。一方、消費電力が大幅に増える4.60GHz時は最高55.2dBAを計測。かなり勇ましい風切り音が室内に響き渡り、常用するのは少々厳しいレベル。とはいえ、CPUコア温度が危険域に達する前にスムーズに回転数が上昇する「AquaChanger 240」なら、かなりピーキーなチューニングでも安全性を損なうことなく運用することができるだろう。
大きなスタイルの違いが無い、オールインワン水冷ユニット。数多ある選択肢の中から1台を選ぶには、事前情報を十分理解しておく必要があるだろう。今回検証を行ったLEPA「AquaChanger 240」も多くの240mmサイズ同様の外観デザインながら、いくつかの独自セールスポイントを詰め込んだ、なかなか完成度の高い良品であった。
なにより強調したいのが、静音性の高さだ。120mm口径ファン2基を搭載し、スペック上では500rpmから2,300rpm間で、冷却ファンの回転数は自動制御される。Core i7-4790Kによる検証では、アイドル時で600rpm台を指し、定格動作の高負荷時では僅か約250rpm程度しか回転数が上昇しない。大型ヒートシンクを備えた空冷でも、1,000rpmを下回る回転数で動作し続ける事はない。当然静音性も高いというワケだ。
動作時、水冷ヘッドのLEPAロゴ周りはLEDが発光するギミックも備える |
これを実現する理由は、銅製コールドプレート(Central Diffusing Passage Cold Plate)や、ブレードデザインに工夫を凝らしたDual Convex Blades Fan、両者の相性の良さにあるのだろう。冷却性能にも注文はなく、ブランド初のオールインワン水冷ユニットに相応しい完成度の高さを見せてくれた。