エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.395
2015.02.14 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
外観スタイルを確認したところで、次に内部構造をチェックしていく。マットブラック塗装の内部容積は、フルタワーPCケースだけあってさすがに広い。開口部も大きいため、組み込みのし難さを感じる事はないだろう。作業効率の良さも大型PCケースの利点と言えるだろう。
内部容積が広いフルタワーPCケースだけに、ストレージの収納力を期待する人は少なくないだろう。ここからは「P380」のドライブベイレイアウトをチェックしてみよう。
フロントパネルに沿ってレイアウトされるケージタイプのシャドウベイは、全8段仕様。ボトム面から専用の「ドライブレール」が8つ積み重ねられている。ケージ機構をよく見ると、下から3段+3段+2段に分割されており、それぞれはネジ留めされ、着脱ができるようになっている。
ケージタイプの「ドライブレール」は全8段仕様。広い内部容積を生かし、ストレージ格納スペースは敢えてこの部分に集約させた |
なお「ドライブレール」は2.5/3.5インチ共用タイプ。ストレージの固定方法は、3.5インチHDDおよび2.5インチSSD/HDD共に、底面にある4つの穴を使ったネジ留め式。そのうち3.5インチHDDについては、AntecのPCケースではお馴染みのシリコングロメットを採用。専用ネジを最後までねじ込むと、ほどよくフロート状態になり、モーターによる駆動振動を抑える役割を果たしている。
思い切ってオープンベイを省略した「P380」だが、4mm厚アルミニウム製フロントパネルとシャーシ間のスペースを利用し、スリム光学ドライブが増設できるようになっている。Power/Resetスイッチ同様、フルフラットデザインを維持するための策のひとつだが、昨今の光学ドライブの利用頻度を思えば、これで十分事足りるだろう。
4mm厚アルミニウム製フロントパネル裏を利用した、スリム光学ドライブベイ。ドライブのディスクローディング方式は問わず、設置場所によりアクセス方向は左右を自由に選択できる |
なおプラスチック製のスリム光学ドライブベイユニットは、必要に応じて取り付ける付属品扱い。光学ドライブのマウントはユニットに設けられた溝にスライド装着し、側面をネジ留め。完成したユニットは、4mm厚アルミニウム製フロントパネルに設けられた4つのネジ穴で固定する。
プラスチック製スリム光学ドライブベイユニットは、必要に応じて利用する付属品扱い。ドライブのディスクローディング方式はトレイ・スロットイン両対応 | |
搭載は4mm厚アルミニウム製フロントパネル裏に設けられた、4箇所のネジ穴を使用。ディスクのアクセス方向は設置場所に応じて左右選択が可能 |
フルタワーPCケースでありながら、5.25インチオープンベイが省略された「P380」。とはいえ、2.5/3.5インチ共用シャドウベイの上部に目を移すと、そこには5.25インチベイらしきものが存在する。4mm厚アルミニウムフロントパネルがある以上、オープンベイとしての利用は不可能だが、さてこれはなんだろう。
実は既存のヒット作「P280」の系統を受け継ぐ「P380」は、シャーシの基本設計が踏襲されていることから、5.25インチサイズのオープンベイユニットらしきものが残される事になったらしい。とは言ったものの、単なる未使用のデッドスペースかと思いきや、5.25インチ用のネジ穴が装備されている。つまり市販の変換アダプタを使えば、さらに2段分の3.5インチシャドウベイが増設できるというワケだ。ストレージを目一杯詰め込むヘビーユーザーなら、このスペースも有効に活用したい。
「P280」の系統を受け継ぐ「P380」。内部設計は酷似部分が多く、5.25インチベイユニットもその名残。だが両者をよく見比べるとドライブベイユニットには改良が加えられている事が分かる |