エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.402
2015.03.23 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
「Minimo.Q」の最大のアピールポイントとして、トップパネルに2つの120mm口径ファンが増設できる。マザーボードと平行する面に、2基の120mm口径ファンを搭載すれば、筐体内部の排気効率は格段に向上する事は想像に難くない。さらに誰もが思い描くのは、240mmサイズラジエターの搭載ではないだろうか。
冒頭紹介した、ドスパラパーツ館で開催された「ENERMAX新製品紹介イベント@パーツ館」では、240mmサイズラジエター採用の水冷ユニットを搭載する事で、Cube型PCケースでありながら、Intel Core i7-4790クラスのCPUも搭載できる事がアピールされていた。
プレゼンでは、Core i7-4790搭載で高負荷時の温度計測結果が紹介された。Cube型PCケースで高クロックCPUを搭載するには、水冷ユニットの導入は必要不可欠といっていい |
一方、内部容積が限られているだけに、本来手軽なオールインワン水冷ユニットも、搭載には若干のコツが必要である事を付け加えておかなければならない。さらに発売元のドスパラでは「推奨していない」と明言している事も無視はできないだろう。そんな前置きをした上で、「困難に立ち向かってこそ自作」を自任する熱心な自作派に向けて、搭載にまつわるポイントをご紹介しておきたい。
なお、ENERMAXでは同社最新のオールインワン水冷ユニット「LIQMAX II 240」を推奨している。メーカー担当者も「取り付けは可能」としており、Cube型PCケースでのハイエンド構成が実現できる可能性に言及している。
ENERMAX「LIQMAX II 240」・・・240mmサイズラジエターを備えたオールインワン水冷ユニット。TDP350Wオーバーを謳い、狭い筐体内でもCore i7-4790クラスのCPUを十分に冷却できる |
ドスパラ専売モデルとして発売中のミドルタワーPCケース「Flumo Q」シリーズは、コストパフォーマンスのよさも手伝って、国内市場でのセールスは大成功を収めた。その波に乗るべく投入されたCube型Mini-ITX対応ケース「Minimo.Q」は、さすがに同じ血筋だけあって、コストパフォーマンスの高さだけに捕らわれない魅力的なモデルだった。
背の低いコンパクトな外観も「Minimo.Q」の特徴 |
賛否はあるものの、電源ユニットをフロント寄りにマウントさせたことで、背の低いスリムサイズを実現。要所に設けられた通気孔はエアフローの確保に貢献し、拡張カード有効スペースはミドルタワークラス同等。コンパクトPCケース平均水準のドライブベイは、与えられた空間を無駄にしていない。
さらに多少のテクニックが必要ながら、トップパネルには240mmサイズラジエターが搭載可能。コンパクトな筐体ながらCore i7-4790クラスが冷却できる、大いなる可能性を秘めている。
売価だけを見ればエントリークラスだが、それ以上の価値は容易に実感できる、触って楽しいCube型Mini-ITX対応ケース。それが「Minimo.Q」だ。