エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.415
2015.05.21 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
最上級のCPUを搭載できる点でパフォーマンスに疑いはないワケだが、やはり気になるのは「Narrow ILM」クーラーの稼働状況。果たして高負荷時はどのような挙動を見せるのか、ストレステスト「OCCT 4.4.0」を使用して確かめてみよう。
「POWER SUPPLY Test」を30分間動作させ、ハードウェアモニター「HW Monitor 1.27」により、高負荷時のCPU温度とファン回転数を計測。逆に起動後30分間放置した際の最低値をアイドル時に設定した。
CPU温度(℃)/室内温度26℃ | |
ファン回転数(rpm) |
まずCPU温度から見てみると、アイドル時34℃、高負荷時でも56℃と動作温度は低く抑えられており、同梱の専用クーラーは十分な冷却効果を発揮しているのが分かる。その一方でファン回転数はアイドル時でも軽々と4,000rpmをオーバーし、起動時から勇ましい駆動音が響き渡る。少なくともいっぱしの静音マシンとするためには、クーラー換装も視野に一工夫が必要になってくるだろう。
現行のIntel最上位プラットフォームである、Haswell-E/Haswell-EPを170mm角の面積に搭載。さらに先進機能のことごとくを実装するという、まさしく「X99E-ITX/ac」はMini-ITXマザーボードにおける野心作だ。限られたスペースを極限まで有効活用、スロットやチップの配置ひとつをとっても設計への工夫の一端が見て取れる。通常では使用されない「Narrow ILM」規格のクーラーを用意してくるという“パワープレイ”はその最たるもので、他メーカーにはない唯一無二のモデルが完成した。こうした前のめりな姿勢は、かつてユニークな“変態マザー”を多数世に送りだした頃のASRockを思い出させてくれる。
ウルトラハイエンドプラットフォームをMini-ITXで構築できる、唯一無二の“変態マザー”「X99E-ITX/ac」。カスタムの難易度は高め、どこまで活かしきれるかはユーザー次第かもしれない |
とはいえこうした尖った仕様が求められていたのは、市場の証明するところ。Mini-ITXという極小フォームファクタにこれ以上ない機能を詰め込んだ、まさしく最小の最強マシンを構築できるのは、この1枚のほかない。自己主張の激しい特殊クーラーの換装はじめ、カスタマイズの高難度は先刻承知。理想のコンパクトマシンを組み上げてやろうという、挑戦したくなる魅力がこの1枚にはある。