エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.416
2015.05.27 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
標準状態では「ModuVent™」により密閉されたトップ部。ワンタッチで固定される3枚のパネルを取り外すと、最大で120/140mm口径ファンが3基、または180mmの大口径ファンが1基増設できる。さらにラジエターは120/140/240/280/360/420mmの計6サイズをサポートする。
電源ユニットとスペースを分け合うボトムエリアにも、120/140mm口径ファンが1基増設できる。想定用途は接地面と底面の隙間から外気を吸い上げ、グラフィックカード方向へ強制的に風を当てる、または送り込む。構成パーツと内部温度上昇の様子を見ながら、必要に応じて増設すればいいだろう。なおこのスペースに冷却ファンを増設する場合、電源ユニットは奥行き160mm程度のモデルをチョイスしよう。
ボトム面に設定された120/140mm口径ファン増設スペース。場所を分け合う電源ユニットの奥行きに注意が必要 |
全ての冷却ファン搭載スペースを確認したところで、搭載可能なラジエターのサイズを再度確認しておこう。冷却ファンおよびラジエターのマウントを優先した内部設計により、ドライブベイの類いを省略。ミドルタワーPCケースサイズでは例のない、ラジエターの搭載スペースが確保されている。さらにマニュアルには、各搭載スペース毎にラジエターの搭載可能な最大幅も開示されている。これまで「やってみなければ分からない」という自作ならではのハードルにより、いまひとつDIY水冷の普及が進まなかった点は否めない。しかしPCケースメーカー側の理解と柔軟な対応により、導入のしやすい環境が整いつつある。
DIY水冷に最適化されたPCケースだけに、水冷ポンプおよびリザーバーの搭載スペースも用意されている。
ボトム面120/140mm口径冷却ファン増設スペースの右隣には、4つの穴が用意されている。ここが水冷ポンプのマウントスペースだ。マニュアルには台座の固定ネジピッチが開示されており、汎用ポンプがネジ留めできるようになっている。もちろんフロント部にラジエターをマウントさせる事を想定し、ポジションがやや中央寄りに設定されている点は、なかなか心憎い。
ボトム面に用意された、汎用水冷ポンプ設置スペース。一部エンスージアスト向けPCケースでは設置例があるものの、フルタワーなど広いマウントスペースが確保できるモデルに限られていた。ミドルタワーPCケースでは画期的な装備と言えるかもしれない |
リザーバータンクもDIY水冷には重要な構成パーツだ。意外にかさばる円柱は、2.5/3.5インチシャドウベイのベーストレイ部にスリットを設け、ネジ穴として利用。付属品の「Reservoir Bracket」を使い、ネジ固定する。本来あるべきシャドウベイがないため、長尺リザーバータンクも設置できる。
背面にある2.5/3.5インチシャドウベイと背中合わせの関係になる、リザーバータンクマウントスペース。ショートサイズから長尺モノまで幅広く対応する |