エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.423
2015.07.03 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
MSI「GTX 980Ti GAMING 6G」 実勢売価107,000円前後 製品情報(エムエスアイコンピュータージャパン株式会社) |
MSI「GTX 980Ti GAMING 6G」が搭載する「GeForce GTX 980 Ti」は、ウルトラハイエンドGPU「GeForce GTX TITAN X」と同じ、第2世代「Maxwell」アーキテクチャとなる「GM200」を採用。GTX TITAN Xと比べて、シェーダプロセッサ数が3,072基から2,816基、テクスチャユニット数が192基から176基。そしてメモリ容量が12GBから6GBに半減しているが、スペックダウンはそれだけ。低発熱かつ低消費電力というハイエンドらしからぬ性能で人気のGeForce GTX 980/970の弱点、メモリバス幅の狭さと4Kゲーミングでは厳しいメモリ搭載量の少なさを補った、新たなハイエンドGPUだ。
10万円超えともなると、気軽に手が出せる価格ではないが、ヘビー級ゲームの最高描画、ヌルヌル表示やWQHD、4K狙いならGTX 980 Tiグラフィックスは、なかなか魅力的になっている。
GeForce GTX 980 Ti GPUコア。ダイ上の刻印は「GM200-310-A1」になっている |
そんな新たなハイエンドGPUのGeForce GTX 980 Tiと、MSIおなじみのこだわりが組み合されて生み出されたのが、「GTX 980Ti GAMING 6G」だ。オリジナル設計の基板に、米国の軍事調達規格「MIL-STD-810G」をクリアする独自の品質規格「ミリタリークラス4」準拠のタフネスな高品質コンポーネントによる高いオーバークロック(以下:OC)動作。その高OC動作を支えられる冷却性能とセミファンレス動作での高い静音性を備えた最新世代クーラーの「Twin Frozr V」と、心ひかれる要素がたくさん詰め込まれている。
オリジナルデザインクーラーを採用したGeForce GTX 980 Tiグラフィックスカード「GTX 980Ti GAMING 6G」 |
なかでも一定以下のGPU発熱下ではファンが回転しない“極静音”なセミファンレス機能「Zero Frozr」は要注目だ。MSIはTDP165WのGeForce GTX 980を採用した「GTX 980 GAMING 4G」でも、「Twin Frozr V」でセミファンレス動作を実現していたが、GTX 980 Tiは性能とともにTDPが250Wに上昇。GTX 980 Tiでは、さすがにセミファンレス動作は厳しいかと思われていたが、「GTX 980Ti GAMING 6G」はリファレンスデザインのGTX 980 Tiグラフィックスカードと同価格帯でありながら、セミファンレス仕様を実現している。
100mm径の大型デュアルファンや極太ヒートパイプを備えた全銅製ヒートシンクを組み合わせた「Twin Frozr V」で、セミファンレス動作を実現 |