エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.426
2015.07.18 更新
文:GDM編集部 池西 樹
続いて冷却ファンの回転数をチェックしておこう。「Nepton 240M」に付属する120mm口径ファンはPWM制御により、800~2,400rpmで動作するが、実際のテストではどのような挙動を示すのだろうか。なお計測は「CPU温度計測」実行時のファンの回転数を「HW Monitor」で取得している。
ファンの回転数(rpm) |
定格時はアイドル時と高負荷時で、回転数に約160rpmしか差がなく、まだまだ余力を残す結果。一方、オーバークロック時は急激な温度変化に対応するため、4.50GHzでは最高2,254rpm、4.60GHzでは最高2,491rpmを計測。ただしこちらも最高値を計測したのは一瞬で、その後はそれぞれ2,000rpm前後と2,150rpm前後で推移しており、冷却性能不足を感じることはなかった。ちなみに「Nepton 240M」では、さらに2台の冷却ファンを追加できることから、必要なら更なる増設にチャレンジしてみるのもいいだろう。
テストセッションのラストは騒音値検証で締めくくることにしよう。検証は回転数テストと同様に「CPU温度計測」実行時の騒音値を、デジタル騒音計で測定している。なお室内騒音値は32.9dBAだった。
騒音値(dBA) |
回転数がほとんど変化していない定格時は、ノイズレベルの変化もごくわずか。実際に聞こえてくる風切音にも違いはなく、静音性を重視するなら文句なくオススメだ。またオーバークロック時には、回転数に応じて騒音値も上昇し、4.60GHzでは最高46.2dBAを計測。ここまで来るとさすがに風切音が目立ち始めるが、95W増という強烈な消費電力をフォローするためには、ある程度の騒音は許容する必要があるだろう。
今回の撮って出しレビューでは、久しぶりとなるオールインワン水冷ユニット「Nepton 240M」の検証を進めてきた。画一的なスタイルで、外観上の変更点こそ少ないものの、進化した「マイクロチャネル」を始め、新型のポンプユニットや新設計の冷却ファンなど、細部までブラッシュアップ。その冷却性能は予想通り素晴らしく、定格運用であれば極静音動作を実現、さらにかなりピーキーなチューニングでも安定動作が期待できる。
内部構造から取り付け方法に至るまで、細部までブラッシュアップされた「Nepton 240M」。冷却ファンはハンドスクリューのため、簡単に交換・増設ができる |
またメンテナンス性に優れる、簡単な取り付け方法も見逃せないポイント。初めてオールインワン水冷に挑戦するユーザーでも戸惑うことなく装着させることができるだろう。唯一、やや固めのFEPケーブルについては賛否が別れるところだが、冷却性能を重視したモデルであることを考慮すれば、こちらも許容範囲内。夏場を迎え、PCの冷却性能に不安があるならぜひ導入を検討してみて欲しいアイテムだ。