エルミタ的速攻撮って出しレビュー ~番外編~
2015.08.12 更新
文:GDM編集部 Tawashi
そもそも、GeForceの水冷化を思い立ったのはどのような経緯なのか。生みの親である、サイコムのプロダクトマネージャー山田 正太郎氏に話を聞いた。始まりは2012年10月にELSAから発売された、水冷&空冷ハイブリッドクーラー採用のGeForce GTX 680搭載グラフィックスカード「ELSA GeForce GTX 680 HYBRID」にさかのぼる。
株式会社サイコム プロダクトマネージャー山田 正太郎氏。PC業界歴も長く、趣味である自作PCの造詣も深い | Arctic製ハイブリッドVGAクーラーを採用する「ELSA GeForce GTX 680 HYBRID」。GPUを水冷、メモリとVRMを空冷が担当し、高い冷却性能を実現する |
「ELSAはArctic製のクーラーを採用していましたが、水冷ユニットといえばAsetek。ダメもとでアメリカの担当者に直接交渉して協力を依頼しました」と当時を振り返る。その結果、オールインワン水冷を自作市場に普及させたOEMメーカー最大手、Asetek製のGPUクーラー用水冷ユニット「740GN」が供給される事になった。
水冷クーラーのリーディングメーカーAsetek社製のグラフィックスカード用水冷ユニット「740GN」。サイコムでは冷却ファンにENERMAX「UCTB12」が標準搭載されている |
その後、半年にわたり試行錯誤を繰り返しGeForce GTX 680で初の水冷化に成功。現行モデルであるGeForce GTX 980 Tiに至るまで、数多くのNVIDIA製ハイエンドグラフィックスカードを水冷化してきた。これら蓄積された水冷化のノウハウは「サイコムの貴重な財産になっている」という。
「G-Master Hydro」シリーズは、5種類のグラフィックスカードが選択できる |
続いて、今回の主役となる、オリジナル水冷仕様「GeForce GTX 980 Ti」について話を進めよう。現在、デュアル水冷仕様のゲーミングBTO「G-Master Hydro」シリーズで選択可能なグラフィックスカードは、GeForce GTX 970 / 980 / 980 Ti / TITAN X / TITAN Blackの5モデル。その中で、一番人気のGPUといえば、6月にデビューした「GeForce GTX 980 Ti」だ。次点のGeForce GTX 970と併せて、出荷数の80%を占めるという。そんなGeForce GTX 980 Tiがどのように水冷化されていくのだろうか。
埼玉県八潮市に本社を構えるサイコム。最新のオリジナル水冷仕様「GeForce GTX 980 Ti」はここで組み込みまで行われている |