モンスターカードを冷却するVGAクーラーを分解してみる

続いては巨大なVGAクーラーを搭載した「AXR9 390 II 16GBD5」を分解してみよう。3スロットを占有する超大型VGAクーラーは、2つのGPUを独立して冷却する考えから、それぞれ個別にヒートシンクが搭載されている。また銅製受熱ベースとアルミニウム製放熱フィンで構成され、受熱ベース部は銅を採用。ヒートパイプはφ8mm×4本と、φ6mm×1本を実装し、メモリ、電源回路、PCI-Expressブリッジチップなどは、ヒートシンク形状のプレートが冷却を賄っている。

ファンが固定されているカバー部。側面の6つのネジを外し、ファンとLEDの電源ケーブルを基板から抜けば簡単に取り外すことができる。なおこれらの作業は改造行為にあたり、メーカー保証が受けられなくなる事を覚えておこう
APISTEK製ファンを採用。左右が「GA92B2H」（12V / 0.35A）で、中央が「GA92B2U」（12V / 0.46A）になる
ヒートシンクはGPUごとに分かれている。必然的にシングルGPUモデル搭載のヒートシンクより、放熱面積は小さくなる分は、ヒートシンクの厚さやファンの風量で補うことになる
ヒートシンクは左右の凸部を除くと約21.5mmの厚さで、フィンピッチは一般的な約2mm間隔だった
ヒートシンクの裏面。GPUコアからの熱を受熱するベース部は銅製	φ8mm×4本、φ6mm径×1本、計5本のヒートパイプが受熱ベースからフィンに熱移動させる
	基板裏面に装備されているバックプレート。“DEVIL 13”の文字の下には、なぜかAMDのRoy Taylor氏のサインもあった
バックプレートには、発熱の多くなる電源回路部などに熱伝導シートが貼られており、冷却効率の向上が図られている
GPUとは別にメモリや電源回路には、基板を覆うヒートシンク型プレートを装備。ファンからの風をプレート全体で受けて放熱	基板から冷却プレートを外した状態。基板アセンブリに合わせた「AXR9 390 II 16GBD5」用のパーツが使われているのを確認すると、ますますプレミアム感が増してくる
GPUヒートシンクと干渉しない部分はヒートシンク形状になっており、冷却性能を高めている	冷却プレートの裏面。メモリや電源回路、PCI-Expressブリッジチップを冷却。各部には熱伝導シートが貼られている

蛇足だが、APISTEKといえば、多くのPCパーツメーカーの冷却機器を手掛けている老舗の冷却関連メーカー。マザーボードのヒートシンクやグラフィックスカードのクーラーなど、知らぬ間にAPISTEK製品を所有、使用していたという自作ユーザーは少なくないはずだ。

定番PCパーツメーカーのGPUクーラーなどを手掛けているAPISTEK。興味がある人はWebサイトをチェックしてみよう