エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.458
2015.12.04 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
電源ユニットの搭載テストには、Fractal Designの「Edison M 750W」(型番:FD-PSU-ED1B-750W)を用意した。奥行きは160mmで、主要なコネクタケーブルのみ直付けのセミモジュラータイプだ。
内部フロント寄り設けられたフレームに、横置きマウントされる電源ユニットは、一般的なPCケースのように露出面がない。よって外部の電源インレットと、「Core 500」リア部の電源インレット間には、中継ケーブルが設けられている。
電源ユニット側のインレットを”外出し”にするため、内部中継ケーブルを接続。マウントポジションを変更する際に採用される手法が「Core 500」にも用いられている |
ここで少々やっかいなのが、中継ケーブルのコネクタの向きだ。電源インレットの内部には縦に3極の端子があるのはご存じのとおり。コネクタは「おむすび型」で、3極端子のレイアウトにより挿し込む向きが決められている。しかし電源インレットの搭載向き(上下)は規格で決められておらず、モデルごとにさまざまである点がクセモノなのだ。
「Core 500」の中継ケーブルは、ストレスのかからないストレート状態で接続できるのは「おむすび型」の場合のみ。これが「逆おむすび型」になると、比較的硬い中継ケーブルを狭い空間で始末しなければならない。
「Core 500」の仕様に合わせて「おむすび型」インレットの電源ユニットをチョイスする事はあり得ない。USBもリバーシブルタイプが出るご時世、インレット逆パターン用のケーブルを同梱するなど、メーカー側の工夫が必要ではないだろうか。
なお居住性については、170mmまで確保された搭載スペースに対し、160mmの「Edison M 750W」は問題なくマウントできている。ケーブルタイプのモジュラー / 非モジュラー問わず、このクラスまでの電源ユニットであれば、どんなモデルを選んでもケーブルの取り回しに苦慮することはなさそうだ。
グラフィックスカードを搭載しなければ、左側面までの空きスペースには、あまった電源ケーブルを比較的無造作に放置できる | |
2スロット占有デザインのグラフィックスカード(奥行き270mm)を搭載した場合、「Edison M 750W」との隙間は実測でわずか5mm程度。直付けケーブルは影響がないものの、モジュラー部分はほぼ使用できない。限られた筐体スペースだけに、空間のトレードオフはつきものだ |
容量19.5リットルのCube型Mini-ITX対応ケース「Core 500」の検証を終え、どのような印象を持たれただろうか。冒頭でも触れたように、気がつけば選択肢の多いライバルモデルひしめくカテゴリにあって、特徴は出しにくい。そんな中、奇をてらわずFractal Designらしくスマートな姿勢を崩さず、内部設計の最適化により最大280mmサイズラジエターが搭載できる点は、最大のアピールポイントといえるだろう。
「省スペースだからこそ積極的な水冷の導入」は、折に触れ言い続けていることだが、高さ170mmまでのCPUクーラー搭載スペースがあるものの、「Core 500」は水冷ベースのCube型Mini-ITXシステムがよく似合う。
コンパクトなCube型ケースに、デスクトップ同様のハイエンドシステムを組み込む。外観からは想像できないそのギャップを楽しむには、最適な1台になるだろう。