エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.462
2015.12.19 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
次に見ていくのは、「Core P5」の水冷ユニット向けに設計されたラジエターとリザーバー搭載スペースの2箇所。紹介が遅れたが、このモデルはThermaltakeが提唱する「Tt LCS 水冷システム認証ケース」で、オールインワンタイプはもとより、いわゆるDIY水冷にも最適化された内部設計を特徴としている。特に「魅せるPC」がコンセプトの「Core P5」は、冷却水を循環させ、CPUやGPUを冷やす見た目にも大掛かりなDIY水冷がよく似合う。ここ数年での急速な普及にともない、国内市場における各パーツの入手性も向上。自由な構成で水冷構築を楽しむ事ができるようになった。「Core P5」を機会に、DIY水冷の世界に足を踏み入れてみるのもいいだろう。
Thermaltakeが提唱する「Tt LCS 水冷システム認証ケース」(LIQUID COOLING SUPPORTED)。オールインワン水冷ユニットに留まらず、DIY水冷パーツ導入に最適化されたPCケースを示す。オープンフレームタイプの「Core P5」もそのひとつに数えられる |
シャーシ面で最も面積を占有し、目立っているのが右端縦列いっぱいに割り当てられた、ラジエター搭載スペースだ。オープンフレームタイプのPCケースだけに、そもそも冷却ファンの搭載はあまり意味が無い。よって、唯一用意される冷却ファン増設スペース”らしき”場所は、ラジエター搭載のためだけにスペースが割かれている。
全体面積の約4分の1程度はあろうかという搭載スペースには、280mm / 360mm / 420mm / 480mmのラジエターが搭載可能。120mm口径ファン3基ないし4基、140mm口径ファン2基ないし3基構成に対応する。
ある意味、「Core P5」がDIY水冷に最適化されている事を裏付ける最大のポイントと言えるのが、リザーバーの搭載スペースかもしれない。オールインワン水冷ユニットでは省略されているリザーバーは、形状やサイズが実に多彩。システムを循環させるチューブ同様、豊富なカラーが揃うクーラント液が常に露出し、水冷システムで重要な役割を果たしつつPC全体を華やかに演出できる。
その搭載スペースは、ラジエターとマザーボードの中間。固定用クリップを留めるネジ穴が用意されており、円柱形リザーバーがマウントできる。
円柱形リザーバーは、ラジエターと並ぶ格好でマウントが可能。下部のプレート(同梱品)はポンプ設置台として利用できる。なお画像の固定クリップはリザーバー側の付属品 |
オープンフレームタイプのPCケースとはいえ、CPUクーラーソケット周辺をカットしたメンテナンスホールの用意がある。開口部も広く、バックパネルを露出するには十分と思いきや、シャドウベイトレイを下支えするプレートが、およそ下側3分の1程度覆い被さっている。つまりメンテナンスホールを使うには、正面左右各2本のネジで固定されたプレートに加え、搭載したドライブを一旦取り外す必要がある。少々面倒ではあるものの、マザーボードを外す作業に比べれば楽である事は確かだ。
シャドウベイを下支えするプレートにより、CPUクーラーメンテナンスホールの3分の1ほどが塞がれている。メンテナンスを行う場合は一旦取り外す必要がある |
およそイメージがわきにくい、オープンフレームタイプPCケースにおけるケーブルマネジメント機構。「魅せるPC」がテーマだけに「Core P5」では重要になってくる。
シャーシ部を見ると、正面と裏面を行き来するためのスルーホールをミドルタワーPCケース並に装備。ケーブルを傷めないグロメットが装着され、マザーボード右側面に沿って3つ、下部に1つ、さらに電源ユニット搭載スペース位置にも1つ設けられてた。さらにシャーシ内部は厚さ45mmで、この空間に余ったケーブルを隠しておくことができる。
マザーボードのトレイにあたるシャーシには、要所にグロメット付きスルーホールを用意 | |
いわゆる「裏配線」となるシャーシとサイドパネル間は45mmの空間を確保。余分なケーブルを押し込むには十分のスペースだ |
「Core P5」の詳細を一通りチェックしたところで、付属品を総点検しておこう。ひとつお断りしておくと、ここで紹介する付属品は、組み込みに必要な基本的なネジ類などが中心。オープンフレームタイプならではのステー等の独自パーツに固有の名称はなく、マニュアルに特別な記載もない。なおネジ類は一般的に入手できるものばかりで、ジッパー袋に個別梱包。表記はマニュアルに準拠し、カッコ内は同梱数を表す。