エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.472
2016.02.01 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
広く割かれた拡張カード搭載エリア。せっかくなので2スロット占有のグラフィックスカードを搭載してみよう。テストに用意したのは奥行き270mmのモデル。最大310mmまでをサポートするため、搭載に問題はないはずだ。
唯一のシャドウベイに2.5インチSSDを搭載してみる。コの字に曲げられたユニットには、2台のSSDが搭載可能。構造はいたってシンプルで、底面4つの穴を使い、ミリネジで固定する。
天板1本のネジでシャーシに固定された、唯一のシャドウベイ。SSDを搭載するには、シャドウベイユニットを一旦取り外す必要がある | |
シャドウベイの構造がシンプルだけに、搭載方法もシンプル。強いて言うならば、搭載時にコネクタ方向に注意しよう |
最後に「Node 202」の組み込み手順について触れておきたい。とかく小型PCの場合、構成パーツの組み込み手順を誤ると、組み直しを強いられたり、物理的に配線ができなかったりと、トラブルに遭遇する確率が高くなる。内部容積の広いミドルタワーPCケースとは異なる点が多いため、まずはマニュアルに目を通してから作業を開始するといい。
ミドルタワーPCケースと違い、組み込み後の空き空間がほとんど見当たらない。整然としたレイアウトは、思いのほか緻密に設計されている事が分かる | |
ボトムカバーとメインシャーシの着脱は少々難ありで、固定ツメを破損させる可能性がある。リア側のツメから順に解除し、最後にアクセスポートのあるフロント側のツメを外す |
「Node 202」の場合、マニュアルには電源ユニット→マザーボード→ストレージ→グラフィックスカードの順で組み込みを行うように記載されている。特にグラフィックスカードはライザーカードを介してのマウントになるため、マザーボード固定の後に組み込む事が必須だ。また冷却ファンを増設するなら、グラフィックスカード固定前に作業を行う事になる。このように、独自性の強い設計のPCケースだからこそ、手順通りに組み込み作業を進める必要があるワケだ。
「Node 202」は、流行のMini-ITX規格で自作を楽しむ向きに用意された、スリム型PCケースだ。2015年末に販売が開始された最新モデルでありながら、内部構造は奇をてらわないオールドスタイル。小型PCでの運用が有利な水冷ユニットの搭載は、そもそも設計から除外されている。
検証は横置きで進めたものの、縦置きスタイルがよく似合う |
とはいえ「Node 202」が魅力的に映るのは、Fractal Designブランドがこれまで積み上げてきたブランドイメージと、揺るがないデザインコンセプトが色濃く反映されているからだろう。検証では2スロット占有のグラフィックスカードを用意したが、ローエンドのGPUを敢えて選択し、ライトなセカンドPCとして、またはマルチメディアPCや音楽観賞用PCなど、明確な目的を持ったPCを構築しても面白い。やや売価がネックになるかもしれないが、所有欲は十分に満たしてくれるだろう。