エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.480
2016.03.14 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
膨張したフロントパネルに続き、中央部分が盛り上がったトップパネルも斬新だ。真上から眺めると、左右はサイドパネルに膨らみを持たせているだけで、実際にはほぼフラット。代わりにフロントとリアはカーブが付けられている事が分かる。
なおシャーシへの固定方法は、フロントパネル同様ピンタイプを採用。フロントパネルが無い状態から、前部分を握って上部に引き剥がすことで、取り外しは完了。Powerスイッチや各種ポート類のケーブルは接続されていないため、誤って破損する心配は無い。
フロント寄りにアクセスポートとPowerスイッチがレイアウトされるのみで、それ以外に装飾はなし。真上から通気口の類いも確認できない | |
フロントパネル同様、中央部が張り出した湾曲デザインが特徴。両サイドはメッシュ仕立てで、通気性が確保されている |
Mini-ITX規格のミニPCケースだけあって、リア部分も見た目はシンプルにできている。上段右側には標準搭載ファンとメッシュ仕様の通気口を装備。左隣にはマザーボードのバックパネル開口部がある。その下段には2本分の拡張スロット金具があり、大きくカットされた最下段はオプションの電源ユニット搭載スペースが割り当てられている。
シンプルなリア面。トップ部に3本のスリットを設ける事で、通気性が確保されている |
今回借り受けた評価サンプルは、左側面にアクリルウインドウを装備。近頃、”魅せるPCケース”というキーワードをよく耳にするが、LEDアクセサリをはじめとするドレスアップパーツを組み込めば、自作ならではのオリジナルPCを楽しむことができる。
開口部が広く、内部の様子がよく見えるアクリルウインドウは、「Manta」独特のデザインを損ねる事なく、表面は湾曲している点は実に珍しく、NZXTの妥協なきこだわりが見てとれる。
サイドパネルは上下各1本の”脱落しない”ハンドスクリューで固定されている |
次にマザーボードトレイ背面と相対する右サイドパネルをチェックしてみよう。こちらは左サイドパネル同様、膨らんだ湾曲デザインを採用する密閉タイプ。表面はデザイン加工が容易なABS樹脂製が採用されている。また左サイドパネル同様、上下各1本の脱落しないハンドスクリューで固定され、メンテナンス性は申し分ない。
パネル裏側を確認すると、シャーシに密着する面は強度を上げる目的から、スチール製の枠を装着。ABS樹脂製の表面パネル部は外側に張り出し、広い空間が確保されていた。実はここにポイントが隠されている。
ABS樹脂製のパネルと、スチール製の枠で構成された右サイドパネル |
大きく張り出したサイドパネルは、外観デザインを形成する役割のみならず、内部側からは空間を作り出す事に成功。ミニPCながら「裏配線」が容易に行える他、マザーボードトレイ背面との間にスペースができる事で、トレイ裏に3.5インチHDDが搭載できるようになっている。「Manta」を特徴付けるユニークな外観は、単にデザインだけに留まらず、内部容積を確保する重要な要素となっている事が分かる。
スチール製の枠はABS樹脂製のパネルにネジ留め。この組み合わせから、マザーボードトレイ背面間に広いスペースが確保できている |
本体をひっくり返り、ボトム面をチェックしてみよう。前後には独立した台座がネジで固定され、それぞれ左右に滑り止めラバーを装着する。また電源ユニット搭載エリア部分には、防塵フィルタを標準で装備。メンテナンス性を考慮し、リア方面にスライド着脱できるようになっていた。
前後には台座をネジ固定。滑り止めラバーは実測で幅約10mm、長さ約63mm。よく見るとあちこちに複数の穴が設けられている事に気が付く。これはなんだろう | |
電源ユニットへホコリの侵入を遮断する、防塵フィルタを装備。水洗いもOKだ |