エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.491
2016.05.25 更新
文:GDM編集部 Tawashi
評価サンプルに搭載されるCore i7-6700Kの冷却を担当するのは、Noctuaブランドのサイドフロー型CPUクーラー「NH-U12S」。冷却性能では高い実績を誇るメーカーだけに、その実力が気になるところだ。そこで「CINEBENCH R15」マルチコア計測中の様子をハードウェアモニター「HW Monitor 1.28」でCPU温度を計測した。
【CPU温度】 検証室内温度28℃/湿度39% |
CPU温度をみると、アイドル時(起動後30分間放置)で29℃、ベンチマーク実行中でも69℃で安定し、極めて優秀。高い冷却能力を発揮してくれた。これなら室内温度が上昇する夏場や負荷の高いアプリケーション動作時でも安心して使う事ができるだろう。
冷却性能はもちろん静音性能も大きなセールポイントの「Sycom Premium-Line H170FD-MINI」。そこで実使用を想定し、本体より30cm離れた場所にデジタル騒音計を設置。ベンチマーク実行時と主要ゲームタイトルベンチマーク実行時のノイズ計測を行った。
【騒音値】(dBA/室内騒音33.4dBA) |
室内騒音33.4dBAに対して、アイドル時は34.1dBA。各ベンチマークテストでもアイドル時から1~3.4dBAしか上昇しない。実際、テスト中に耳をすませてみたものの、アイドル時からの動作音の変化はまったく判別できないレベルだった。
ベンチマーク実行時など高負荷時でも静音動作するNoctua「NH-U12S」やASUS「STRIX-GTX960-DC2OC-4GD5」の効果もさることながら、さらに動作音を外部に漏らさない作りを特長とするFractal Design「Define Nano S」をケースに採用している点が大きい。
テストセッションの最後はベンチマーク実行中の消費電力を確認していきたい。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、「CINEBENCH R15」と「3DMark」「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド」はそれぞれのベンチマーク実行中で最も高い値とした。
消費電力(W) |
アイドル時は37.1Wと非常に低い。CPUがフルに動作する「CINEBEHCN R15」でも122W、さらにグラフィックスカードへの負荷が上がる「3DMark」で184W、「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド」では175Wとそれなりに上昇するものの、いずれも許容範囲内だ。
「Sycom Premium-Line H170FD-MINI」の標準構成では電源ユニットに80PLUS GOLD認証の容量550Wモデル「Edison M 550W」が採用されているが、購入後のストレージ系デバイス追加はもちろん、ハイエンドグラフィックスカードへのアップグレードにも十分対応してくれる。
「Define Nano S」の国内投入が決まると同時に、サイコムでは新作BTOの製品化が決まったという。2015年10月に投入された「Premium-Line」シリーズは、従来モデルと一線を画す3つのサポートを用意。アフターサービスの充実を柱とした付加価値は、顔が見えない通信販売によるBTOオーダーの不安を払拭する、大いなる安心感につながっている。
そして肝心なハードウェアに至っては、Fractal Design公認コラボレーションPCである事、さらに冷却機構をNoctuaに任せる事で、ハイエンド構成のパーツも選定しやすい。いずれも自作市場では定評のブランドチョイスにより、サイコムらしいPCが完成した。
カスタマイズされた評価サンプルは、ハイレベルな静音状態を保ちながら、高い冷却性能を実現。Mini-ITXを忘れさせるパフォーマンスは、実に軽快だった。今後も増え続けるであろうサイコム「Premium-Line」シリーズ。どれを選んでも間違いはなさそうだ。