エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.497
2016.07.11 更新
文:GDM編集部 池西 樹
ベンチマークの最後は「TWIN FROZR VI」の実力をチェックしていこう。こちらも計測は「Fire Strike“Ultra”」プリセットを10分間ループさせた際の最大値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
ファン回転数計測(rpm) | |
GPU温度計測(℃) |
アイドル時はファンレス動作ながら40℃台で安定。また「Gaming APP」では、セミファンレス機能「Zero Frozr」のON / OFF切り替えや、1分間強制的にファンの回転数を最大にしてGPUを冷却する「Freezeモード」が実装されているため安心だ。また高負荷時の温度も70℃以下をキープ。ベンチマーク中はさすがにファンが回転を始めるが、回転数は「GPU-Z」読みで約50%となる1,300rpm前後まで。今回はバラック状態にてテストを行っていたが、高負荷時でもCPUクーラーのノイズの方が大きく「TWIN FROZR VI」のファンの音が気になることはなかったことを付け加えておく。
「Zero Frozr」機能は「Gaming APP」から解除することができる | |
「Gaming APP」の上部中央にある「Freezeモード」ボタンをクリックすると1分間強制的にファンの回転数を最大にして、GPUを冷却する |
もともと静音性と冷却性能を兼ね備えたクーラーとして定評のある「TWIN FROZR」シリーズだが、Pascalに合わせて設計された第6世代モデル「TWIN FROZR VI」の完成度は非常に高い。特にその静音性は素晴らしく、高負荷時でもCPUクーラーの音に紛れてしまうほど。「GeForce GTX 1080 GAMING X 8G」は、この高性能クーラーのおかげで、MSIが目指す“存在を気づかせない”グラフィックスカードを体現した存在と言えるだろう。
GeForce GTX 980以前のGPUであれば、間違いなく性能差が体感できるGeForce GTX 1080。さらに「TWIN FROZR VI」を搭載する「GeForce GTX 1080 GAMING X 8G」なら最高クラスの静音性も同時に手に入れることができる |
もちろん冷却性能や堅牢な電源回路による安定性など、グラフィックスカードに求められる基本的な部分も抜かりなし。さらにベンチマークによっては2世代前のハイエンド「GTX 980 GAMING 4G」から最高70%も高いスコアを計測するなど、パフォーマンスは現時点で間違いなく最高峰。それでいて消費電力は微増に留まるなど、正直これといった弱点は見つからない。最高のグラフィックス環境を極静音で手に入れたいなら、まさにベストな1枚となるだろう。