エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.498
2016.07.19 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕 / 池西 樹
「MasterAir Maker 8」には、冷却ファンのカバーおよびトップカバーが装着されている。ボディサイズに比べ、アルミニウム製ヒートシンクの露出部分が狭いため、全体を観察するには、これらが少々邪魔になる。ここは取り外せるものは全て外し、ヒートシンクを露出させてみよう。
思いのほかプラスチック製カバーが多く、露出面積が狭いイメージのヒートシンク。細部検証にあたり2基の冷却ファンから順に外してしまおう |
2基の冷却ファンとそれを固定するベース、さらにトップカバーを取り外すと、大型ヒートシンクがあらわになる。アルミニウム製放熱フィンは0.5mm厚で35枚を使用。フィンのピッチは2.4mmとされる。なおデータシートによると、後述するベイパーチャンバーおよびヒートパイプを含めたヒートシンク単体の重量は758gにもなる。
放熱フィンを確認すると、正面と背面、さらに左右両側いずれもフラットな面はない。これはエアフロー効率と表面積を最適化した結果であり、CPUクーラーの冷却能力を大きく左右する | |
鋭い刃物を積み重ねたような0.5mm厚の放熱フィン。不用意に触ると指が切れるので注意 | |
放熱フィンの幅は狭い中心部で約66mm、両端の広い部分で約78mmだった |
「3Dベイパーチャンバー」が主役である事に変わりないが、ヒートパイプも従来と変わらず仕事をしている。φ6mの銅製ヒートパイプは計8本で構成(うち4本は受熱ベース部分と一体化された3Dベイパーチャンバー)。受熱ベース部から、アルミニウム製放熱フィンへ貫通し、ベイパーチャンバーと共に熱移動の役割を担当する。
ヒートパイプはそのレイアウトから「U-Type」と名付けられている | |
真正面からU-Typeレイアウトのヒートパイプを見る。受熱ベースに接触する底面からUの字に左右へそれぞれ直立。放熱フィンには都合8本のヒートパイプが貫通する形で構成されている |
「3Dベイパーチャンバー」が採用されているため、受熱ベース部の様子も少々異なっている。銅素材の受熱ベースは、実測で縦50mm×横80mm。表面は段差が設けられており、CPUに接触する部分は厚さ8mm、一段下がった薄い部分は5mmだった。なお受熱ベース裏側のヒートパイプ接触部分には板状のブリッジをクロス装着。CPUクーラーとCPUを密着させるためのネジ穴が、予め装備されている。
3Vベイパーチャンバーと4本のヒートパイプが密集する受熱ベース部。従来のハイエンド系CPUクーラーとは明らかに異なり、ベース厚は薄い |