エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.498
2016.07.19 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕 / 池西 樹
上面に注目すると、半透明のプラスチックカバーが装着されている。透けて見えるヒートシンクトップ面には、Cooler Master伝統の六角形ロゴが中央部に。ヒートパイプ先端に該当する部分には、キャップの装飾が施されている。
昨今の自作PC業界において、ビッグキーワードは”魅せるPC”だろう。単なる道具や、自らの手で組み込むだけのPCでは飽き足らず、側面アクリルウインドウからPCケース内部の様子を開放的に魅せる。カラーリングやLEDイルミネーションは最も手頃な楽しみ方で、例に漏れず「MasterAir Maker 8」もトップ部にLEDを内蔵。トップカバーから漏れるイルミネーションは、ハイエンドCPUクーラーの存在感を一層高める演出だ。加えて交換用トップカバーを1枚同梱。標準装着のカバーとは異なり、メタル素材につや消し黒で塗装。ロゴ部分は六角形にくり抜かれ、好みに応じて付け替えができる。
「MasterAir Maker 8」には、標準で2基の140mm口径ファンが搭載されている。片方はヒートシンクに向けて風を送り続け、もう片方は素早く熱を排出する役割を担っている。
搭載されるラウンド形状の140mm口径ファン「Silencio FP 140mm」は、この手では珍しい5枚ブレード仕様。羽枚数が少ない分、大きく角度がつけられており、見るからに風量を稼ぐとこを目的として設計されている事が想像できる。なお資料によると、ブレードのデザインを最適化する事で、一般的な形状に比べて25%の風量増を実現しているという。
冷却ファンはワンタッチでスライド着脱に対応する。両サイド下にあるレバーを押すと、ロックが解除。溝に沿って装着されている冷却ファンを上方向に移動させれば、取り外しができる仕組み |
スペックを確認しておくと、回転数は600~1,800rpm±10%のPWM対応。騒音値は8~24dBA、風量は19.8~66CFM±10%、そして静圧は0.24~2.2mmH2Oとされる。この数値だけを見ると、最大回転時でも騒音値は低く、140mm口径だけあって風量も多い。
なお軸受けはLoop Dynamicベアリングとされ、160,000時間の製品寿命が謳われている。
取り外した140mm口径ファン。左右にはヒートシンク側の溝にフィットするカバーがネジ留めされている | |
ダークスケルトン仕様のフレーム部にはレッドLEDを内蔵。通電時は常時点灯し、「MasterAir Maker 8」を美しく照らす。なおファンコネクタはPWM対応の4pin仕様 |
「MasterAir Masker 8」は、標準140mm口径ファンから120mm口径ファン(オプション)にサイズダウンする事ができる。敢えて口径を小さくする理由は、隣接するメモリスロットに対するクリアランスの確保にある。低回転で大風量が得られるメリットとの引き換えに、140mm口径ファンの高さ(口径)による占有は悩ましい。特に大型ヒートスプレッダを装着したメモリとの共存は課題になる。これを解消する手段のひとつとして、120mm口径ファンへの換装が選択できるというワケだ。