エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.501
2016.07.27 更新
文:GDM編集部 池西 樹
全長は285mm。ATXマザーボードからははみ出るものの、ミニタワーでも300mm程度まで対応するものが多いイマドキのケースでは、奥行が問題にはなることはほとんどないだろう |
2.5スロットを専有する大型クーラーを搭載しているため、周辺コンポーネントやマルチグラフィックス時の干渉が気になるという人もいるだろう。そこで最後にクリアランスをチェックしておこう。
検証に使用したのは、ATXフォームファクタに対応するASRock「Z170 Extreme4」。上段と中段のPCI-Express3.0(x16形状)スロットは2スロット分、中段と下段は1スロット分のスペースが設けられたオーソドックスなモデルのため、多くのマザーボードで参考になるはずだ。
上段スロットに搭載したところ。中段スロットには一切干渉しておらず、もう1枚増設させることができる | |
中段スロットに搭載したところ。下側はマザーボードからはみ出ることなく、基板下側のピンヘッダやポートにもギリギリだがアクセスできる |
ご覧の通り、PCI-Express3.0(x16)が2スロット分空いていればカード自体の2枚挿しは問題なし。基板の下半分はカードでほぼ専有されてしまうため、マザーボードによっては一部ピンヘッダやSATAポートが干渉する可能性はあるものの、マルチグラフィックスを前提としたモデルであれば、おおむね問題ないだろう。さらにPascal世代では、NVIDIAの正式サポートが2-Way SLIまでに制限され、これまでに比べるとデメリットは大幅に解消されている。
リファレンスを大きく上回る堅牢な電源回路と、3スロットを専有する巨大クーラーに支えられ、オリジナル仕様のGeForce GTX 1080グラフィックスカードの中でも、かなりアグレッシブなチューニングが施されているPalit「NEB1080H15P2-1040G」。ベンチマークやゲームプレイ時には標準状態でも2,000MHzを超えるコアクロックを計測。リファレンス相当との比較でも確実に上積みはあることから、シングルGPUでは間違いなく現行最高峰の性能を備えている。
まだまだ余力を残す冷却性能と強力な電源回路を生かし、さらなる高みを目指すのもオモシロイ |
それでいてアイドル時・高負荷時とも静音性は上々。LEDライティング機能も追加されるなど、イマドキのグラフィックスカードのトレンドは余すことなく網羅されている。さらに未だ余力を残すクーラーや、6pin(75W分)コネクタを追加したオリジナル基板の採用により、カツ入れによるオーバークロックも現実的。標準で高速な製品が必要なゲーマーはもちろん、ギリギリのパフォーマンスを目指すエンスージアストにも魅力的な製品に仕上げられている。