電源回路の強化により消費電力はやや増加

ベンチマークのラストは消費電力を確認しておこう。こちらも測定は「Fire Strike Ultra Stress Test」実行時の最大値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時に設定。“Wattup Pro”を使用して消費電力を計測している。

消費電力計測（W）

電源回路が強化されていること、そしてオーバークロック仕様であることが影響し、高負荷時は約25W消費電力が増加。とは言え、このクラスのグラフィックスカードを導入するユーザーには、十分許容範囲となるはずだ。さらに消費電力が増加しているにも関わらず、静音性・冷却性能とも上回る「ARMOR 2X」の出来の良さを改めて実感させられる結果と言えるだろう。

「ARMOR 2X」の優秀さが光る佳作グラフィックスカード「GeForce GTX 1070 ARMOR 8G OC」

ここまで、低価格なGeForce GTX 1070グラフィックスカード「GeForce GTX 1070 ARMOR 8G OC」の検証を進めて来たわけだが、その完成度の高さには驚かされた。NVIDIAによればPascalより導入された「Founder’s Edition」は、これまでのリファレンスモデルに比べるとクーラーの性能も向上しているということだが、「ARMOR 2X」の静音性と冷却性能は圧倒的。まったく勝負にならないというのが率直な感想だ。

本体サイズや重量もこのクラスとしては標準的。正直大きな欠点は見当たらず、多くのユーザーにおすすめできる佳作と言えるだろう

正直なところ、消費電力を最優先で検討する、もしくはどうしても外排気クーラーでなければ嫌だ、というのでなければ、価格も高い「Founder’s Edition」を購入するメリットはない。カードサイズも程よく、扱いやすさは抜群。これからPCを新調する人はもちろん、旧世代のハイエンドグラフィックスカードを使い、発熱や騒音に困っている人にもぜひ交換をオススメしたい秀作グラフィックスカードに仕上げられている。