エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.510
2016.08.30 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
CINEBENCH R15(cb) |
まずは定番のCGレンダリングソフト「CINEBENCH R15」を動作させ、Core i7-6700を組み込んだ「DeskMini 110」のCPUパフォーマンスをチェックする。
結果としては、シングルコアで160cb、マルチコアで802cbとさすがのスコアをマーク。名実ともにデスクトップCPUをそのまま搭載できるとあって、基本的に同様の構成をもつ通常のデスクトップPCと何ら遜色のないパフォーマンスを発揮している。
続いては「CrystalDiskMark 5.1.2」を使用し、Ultra M.2スロットに装着したSamsung製のM.2 SSD「SM951-NVMe」のパフォーマンスを確認する。なおスロットには、シーケンシャル読込最大2,000MB/sec、同書込最大850MB/secの128GBモデル「MZVPV128HDGM」を装着している。
【50MiB】 | 【1GiB】 |
【4GiB】 | 【8GiB】 |
シーケンシャルアクセスは、書込は最大675MB/secにとどまったものの、読込は最大2,073MB/secと公称値をオーバー。また、ランダムアクセスは、4Kが読込最大57.57MB/secで書込最大220.4MB/sec、4K QD32T1は読込最大789.6MB/secで書込最大281.2MB/secと、こちらも優秀な結果を残している。32Gbpsと広帯域なPCI-Express3.0(x4)のメリットが発揮された格好で、コンパクトモデルでもストレージ面の性能面で不安はまったくない。
デスクトップCPUがそのまま搭載できるとあって、電源ユニット同等のサイズ感でも実力はホンモノ。「DeskMini 110」はその製品名通り、小さくともれっきとしたデスクトップPCだった。そしてその境地を実現させるキーとなっているのが、新フォームファクタのMini-STXだ。
グラフィックス性能不要のユーザーにとってはMini-ITXには無駄があり、一方のNUCではパフォーマンス自体が物足りない。そうした現行スモールフォームファクタの難点を洗い出し、いわばイイトコどりをした新規格。今後対応マザーボードやケースのリリースが続けば、小型PCの新潮流として大きな盛り上がりが期待できそうだ。
グラフィックス性能不要の小型マシン愛好家にとって、現状最も正解に近そうな「DeskMini 110」。ハイパフォーマンスがこのサイズ感で手に入る、SFFの新時代到来を告げる1台だ |
そしてそのMini-STX製品の第一弾として登場した「DeskMini 110」は、新規格を背負って立つモデルだけに、完成度が抜群にいい。TDP65WのSkylakeと最大32GBのメモリがあればパフォーマンスに不安はなく、この筐体でマルチストレージも構築可能。IntelチップのギガビットLANとオプションの無線LANでネットワーク対応も万全、マルチディスプレイ出力もこなせるとあって、およそ隙のないマシンが出来上がる。そして何より、これで税込17,000円ほどと攻めた価格とあっては、現状入手困難なほど人気という事情も分かるというものだ。新規格Mini-STX隆盛の前に、まずは「DeskMini 110」の安定的な流通に期待しよう。