エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.513
2016.09.14 更新
文:GDM編集部 池西 樹
「GAMING APP」に用意されている3種類のプリセットを使い、Core i7-6950Xの簡易オーバークロックに挑戦 |
ここからは「GAMING APP」に用意されている3つのプリセットを使い、Core i7-6950Xの簡易オーバークロックに挑戦。ワンクリックでできる簡単なチューニングでどのように動作クロックが変わるのか確認してみよう。
定格と同じ動作となる「サイレントモード」。アイドル時は倍率12倍の1.20GHz、マルチコア駆動時は35倍の3.50GHzで動作 | |
「ゲーミングモード」を選択するとCPUの負荷に関係なく常に倍率35倍の3.50GHzで動作 | 「OCモード」時は倍率36倍の3.60GHz駆動になる |
「サイレントモード」は定格駆動と同じ動作。「ゲーミングモード」は10コア駆動時の最大クロックである3.50GHz、「OCモード」は+100MHzの3.60GHzでそれぞれ固定動作となる比較的ライトなチューニング。より高クロック動作を狙うなら、「Click BIOS 5」による詳細設定に挑戦してみるといいだろう。
「GAMING APP」によるオーバークロック動作を確認したところで、どの程度性能に影響があるのか「CINEBENCH R15」を使いチェックしておこう。
CINEBENCH R15のスコア(cb) |
シングルコアテストは、最大4.00GHzまで動作クロックが上がる「サイレントモード」が最も高いスコアを計測。一方、マルチコアテストでは動作クロックの変動がなくなるため、「ゲーミングモード」で約2%、「OCモード」で約5%スコアが向上した。普段は「サイレントモード」を選択しておき、高負荷がかかる重い処理を行う場合には「ゲーミングモード」や「OCモード」を選択するのがオススメだ。
最後にオーバークロックによる消費電力の影響について確認しておこう。計測は「CINEBENCH R15」実行時の最高値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
消費電力(W) |
「ゲーミングモード」と「OCモード」では電圧、クロックとも固定動作となるためアイドル時でも約100Wとやや高め。一方、マルチコア実行時はいずれも180W前後で大きな違いはなし。CPU温度もほとんど変わらず、消費電力や冷却性能への影響を考える必要はないだろう。
ハイエンドプラットフォーム向けとあって、高級志向の製品が多いIntel X99 Expressマザーボード。特にBroadwell-E以降のモデルは、従来との差別化のため、あらゆる機能を詰め込んだウルトラハイエンド製品が中心でその傾向が顕著だ。そんな中にあって、今回検証した「X99A TOMAHAWK」は非常にバランスの取れた存在と言えるだろう。ミドルレンジながら、「Turbo M.2」や「Turbo U.2」、USB3.1 Gen.2など、最新インターフェイスを装備。PCI-Express3.0(x16)は3スロット備え、3-Wayまでのマルチグラフィックスに対応するなど、ハイエンドCPUが持つ豊富なPCIeレーンのメリットを最大限に発揮することができる。
現行必要とされる機能はほぼすべて網羅する「X99A TOMAHAWK」。Broadwell-EでハイエンドゲーミングPCを構築するなら注目の製品だ |
もちろん高速なIntel製デュアルギガビットLANや、クラス最高峰の高音質オーディオ回路「Audio Boost 3」、重量級のグラフィックスカードにも耐えられる「Steel Armor」スロットなどゲーマー向けの基本機能も充実。さらに近ごろ流行のLEDイルミネーション機能も標準装備され、よほど極端な使い方をしないかぎり上位モデルとの違いを感じることはないだろう。Broadwell-EをベースにしたゲーミングPCを構築するなら、ぜひこの1枚を選択肢に加えておこう。