エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.524
2016.11.09 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
実際のゲームプレイを想定したテストとして、オンライン系のベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」を実行する。設定はDirectX 11モードの「最高品質」にセット、解像度は1,920×1,080ドットと1,280×720ドットの2パターンで計測した。
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク |
最高品質設定ながら、フルHD環境で“とても快適”となる5503、HD画質では“非常に快適”を大幅に上回る10603というスコアとなった。「ファイナルファンタジーXIV」クラスのゲームであれば、最高画質でも不満なく遊べるだろう。このサイズ感ながら、れっきとしたゲーム用マシンとして活躍できるというワケだ。
それでは最後に、ベンチマーク中の高負荷状況における「BRIX Gaming UHD」の挙動をチェックしておこう。「Fire Strike」を動作させた状態を高負荷時、逆に何もせず10分間放置した状態をアイドル時に設定。消費電力をワットチェッカーで、GPU温度を「GPU-Z」を使用して計測した。
GPU温度計測(℃) | |
消費電力(W) |
まず消費電力を確認しよう。さすがはACアダプタモデルといったところだろうか、最大でも103Wと非常に省電力で、高負荷時でも消費電力に泣かされるシーンはまったくない。
また、GPU温度も最大62℃と良好な結果に。内部はキツキツの設計ながら、下から上に風を通す「Ergonomic Thermal Design」がうまく機能しているようだ。発熱対策が難しい超小型PCだけに、高効率な冷却システムの搭載は嬉しい。
超小型PCは、便利だが非力。こうした従来のイメージは、「BRIX Gaming UHD」のようなゲーミング志向のモデルが変えつつある。大きさやデザインこそ従来モデルから変貌したものの、容量はわずか2.6リットルと小振りであり、一番のウリでもある省スペースなサイズ感は損なわれていない。デスクトップ版GPUをそのまま搭載したことで、ミドル級ゲームの動作は大きく改善、多少の無茶もこなせるようになった。超小型PCの愛好家たちが抱えていた、パフォーマンス面の心細さはだいぶ解消されたと言っていい。
四角柱デザインに生まれ変わった、デスクトップ版GPU搭載の「BRIX」は使える。ギリギリの設計で絶妙なスペックが詰めこまれ、多彩に活躍できる小型マシンが出来上がった |
また、クアッド4K表示も可能なグラフィックス出力をはじめ、インターフェイスや拡張性も十分。CPUが換装できない以外は、メモリもストレージも一定水準をクリアできる余裕がある。重量級ゲームなどを除くほとんどのニーズは、この1台でまかなえるだろう。初めは四角柱の奇抜なデザインばかり印象に残っていたが、小さいながらにれっきとしたゲーミングマシンだった。