エルミタ的「編集部で使ってみた」
2016.11.16 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
グラフィックスカードのハイエンド化には、発熱の問題がつきまとう。これを解消すべく、メーカー各社はVGAクーラー開発し、オリジナリティをアピール。グラフィックスカードそのもののパフォーマンスのみならず、見た目や冷却能力が購入の決め手になる事は往々にしてある。
一方で安定動作を目指すべく、放熱面積を稼ぐための大型ヒートシンクの採用や、熱を拡散させる複数のヒートパイプ、複数の冷却ファンを実装すると、重量はかさむばかり。PCI-Expressスロットに固定すると、拡張スロットから末端にかけて、垂れ下がった状態で装着されることになる。これではカード自体のみならず、マザーボード側へのダメージが気掛かりだ。
以前詳細検証を行った、3スロット専有巨大クーラー「IceStorm」搭載のZOTAC「GTX 1070 AMP Extreme」。その重量は検証時の計測で約1.2kgだった |
精神衛生上よろしくない状態を解決すべく、自作市場にはグラフィックスカードを支える棒状のアクセサリが複数存在している。例えばグラフィックスカードのベンダーASUS「VGA HOLDER」や、MSI「GRAPHICS CARD BOLSTER」、さらにPCケースメーカーからは、Cooler Master「汎用ビデオカードホルダー」(型番:MCA-0005-KUH00)といったモデルが用意されており、既にユーザーだという読者もいることだろう。
各社から用意されているグラフィックスカードホルダー。ASUS「VGA HOLDER」(左上)、MSI「GRAPHICS CARD BOLSTER」(右上)、Cooler Master「汎用ビデオカードホルダー」(左) |
グラフィックスカードのハイエンド化に伴うこの悩みは、世界中の自作派たち共通の悩みでもある。そんな中、手を挙げたのが神奈川県川崎市に本社を置く、有限会社長尾製作所だ。主な事業内容は板金加工全般の同社が、以前よりその技術を生かした”自作PCのアクセサリーパーツ”の多くを生み出していることはご存知だろう。そんな長尾製作所が今年9月より販売を開始した「VGAサポートステイ マグネット式」の評判がすこぶるいい。
ネーミングからも分かるように、グラフィックスカードをサポートするマグネット式のステイで、従来の汎用品で採用される”突っ張り棒”タイプではなく、磁石による吸着力により自立させる点が新しい。ラインナップはステイ1枚構成のショートタイプ「VGAサポートステイS マグネット式」(型番:N-VGASTAY-S)と、ステイ2枚を連結させるロングタイプ「VGAサポートステイL マグネット式」(型番:N-VGASTAY-L)の2種類。国内製造による流通コストの削減も手伝って、市場想定売価はそれぞれ税抜1,160円と税抜1,560円と、極めて手が出しやすい。たとえ効果に対して懐疑的でも、リスクを恐れるような価格ではない点も注目を集める要因になっている。
VGAサポートステイS マグネット式(型番:N-VGASTAY-S) 市場想定売価税抜1,160円(発売中) |
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VGAサポートステイL マグネット式(型番:N-VGASTAY-L) 市場想定売価税抜1,560円(発売中) |