エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.532
2016.12.16 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
ここからは「VIEW 27」の冷却機構を確認していこう。まずシャーシのフロントパネル部には、120mm口径ファンが最大で3基搭載可能。最も大風量が生み出せるスペースとなる。プラスチック製のフロントパネル両側面にあるスリットから、外気を取り込み、PCケース内部に新鮮な風を常時送り込む。ここはオプション扱いだが、静音性を考慮しつつ、回転数の低い冷却ファンを最低でも1基は搭載しておきたい。なおラジエターの搭載スペースとしても機能し、最大で360mmサイズまでがサポートされる。
画像は防塵フィルタを外した状態のシャーシ側フロントパネル。増設ファンのネジ穴はスリットタイプを採用。実測約25mmのストロークで、冷却ファンの搭載位置が調節できる |
リア上部には120mm口径ファン1基が標準で装備される。CPUソケット周辺の熱を排出する役割を果たし、熱の滞留を防いでくれる。なおスペックは回転数1,000rpm、騒音値16dBA。実際に動作させてみたところ、静音性は非常に高い事が分かった。
特異な形状のトップパネルには冷却ファンが増設できないため、リア排気ファンの役割は大きい |
ボトムカバーの天板部にあるハニカム状の通気孔。ここには120mm口径ファン1基の増設に対応するネジ穴が用意されていた。製品資料によると、エアフローレイアウトは、ボトムカバーの内部方向への吹きつけを想定。風が直接当たる先には、2.5 / 3.5インチ共用のHDDケージがあり、ストレージ冷却用としての装備である事がわかる。
ボトムカバーの天板にも120mm口径ファンが増設可能。一般的な25mm厚を想定し、「Screw M3x30Lmm」が4本付属する |
魅せるPCを意識しているのは、開口部の広いアクリルウインドウだけではない。拡張スロットにもある仕掛けが用意されていた。
リアパネルデザインのセッションで確認したとおり、拡張スロットは横列の8段に加え、縦列にも2段を構えている。当然ここで注目すべきは後者の”縦列2段”だろう。
標準的な横列の拡張スロットに加え、縦にも2段分を用意。なお拡張スロット金具は、いずれも通気孔仕様で、インチネジにより固定されている |
縦2段の拡張スロットを使えば、グラフィックスカードをマザーボードと水平に装着可能。通常PCケース内部の底面に向けて搭載されるVGAクーラーが、左サイドパネル正面より眺めることができるようになる。冷却ファンの動作やLEDイルミネーションなど、各社のオリジナリティ溢れるVGAクーラーが、PCケース内部で一層際立つというワケだ。
なおこれを実現するには、別売りのライザーケーブル「PCI Express Extender Cable」が必須。Thermaltakeのオープンフレームケース「Core P3」にも使われる専用アクセサリーだ。
ボトムカバーの上には、グラフィックスカードの縦置き化に必須のライザーケーブル”固定用台座”が装備されている | |
ライザーケーブル「PCI Express Extender Cable」は、秋葉原の主要PCパーツショップで在庫を確認(2016年12月現在)。売価は税抜1,700円前後だった |
電源ユニットはボトムレイアウトを採用。一般的なマウント方法と同じく、背面に設けられた穴に、インチネジで固定する。なお「VIEW 27」にはボトムカバーが装着されているため、インストールは右サイドパネルを一旦取り外し、右側面から行う必要がある。
ボトムカバーがあるため、右側面の開口部からインストール。設置面にはクッションゴムが装備される。なお同一フロアにあるHDDケージまでの距離は実測で約220mmだった |