エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.533
2016.12.20 更新
文:GDM編集部 池西 樹
ベンチマークテストのラストは消費電力を確認しておこう。こちらも測定は「OCCT 4.4.2 PowerSupply」実行時の最大値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の値をアイドル時として採用している。
消費電力(W) |
省電力機構が有効になるアイドル時は40W以下という低消費電力駆動が可能。一方、高負荷時はNVIDIA GeForce GTX 1080と、TDP 65WのCore i7-6700を搭載するため最高265Wまで上昇。ACアダプタのデュアル構成たる数値を計測した。
とは言え、最大出力360W(180W×2)までは約95Wの余裕があり、ACアダプタへの負荷は心配ない。またこれほどの消費電力がありながら、CPU・GPUとも冷やし切る「MAGNUNS EN1080」の冷却システムの優秀さを改めて感じさせる結果と言えるだろう。
従来モデルと同等の占有スペースを維持しつつ、TDP 65W最上位のCore i7-6700とGeForce GTX 1080を組み合わせた「MAGNUS EN1080」。 NVIDIA Pascalアーキテクチャでは、デスクトップ版とノート版のGPU性能差が極めて小さくなったことも手伝い、そのパフォーマンスはまさに圧巻。非常に高いPC性能が要求されるVRアプリケーションや、重量級ゲームでも高解像度・高画質設定で楽しめる。さらにUSB3.1 Type-CやNVMe対応のM.2スロットなど、最新インターフェイスをもれなく装備。ディスプレイ出力も5系統と豊富に用意され、これ1台であらゆる作業をこなすことができる。
パフォーマンス、冷却性能、静音性が高い次元で融合した「MAGNUS EN1080」。30万円弱という価格に見合うだけの価値がある最強コンパクトベアボーンだ |
またこれだけのハイスペック仕様にも関わらず、安定動作を可能にする優れた冷却システムも見逃せないポイントだ。騒音も常識的なレベルに収められ、コンパクトPCにありがちな”無理をしている”印象がないのは、この手の製品を長年手がけてきたZOTACらしい完成度の高さを感じる事ができた。
コンパクトベアボーンで30万円弱という価格設定は確かに高価だが、現状では唯一無二の存在。このサイズとパフォーマンスに魅力を感じるなら、その価値は確実にある。