エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.534
2016.12.23 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
一通りベンチマークテストが完了したところで、次はテスト中の「RD-RX480-E8GB/OC/DF」の挙動を冷却の側面からチェックしてみよう。「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」を4K解像度のカスタム設定で動作させた際の最大値を高負荷時、逆に10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時と設定。「GPU-Z」を使用してGPU温度とファン回転数の計測を行った。
GPU温度計測(℃) | |
ファン回転数計測(rpm) |
密かにセミファンレス仕様のクーラーを採用していた「RD-RX480-E8GB/OC/DF」、アイドル時にはもちろん回転数は0rpmになる。それでもGPU温度はわずか36℃、ヒートシンクのみで非常に効果的に冷却できているようだ。高負荷時には78℃に達するものの、ファンの回転数は1,600rpmほどで、稼働率も最大47%。騒音値を抑えるために回転数を絞っている状況で、まだまだ冷却性能には余裕があるというワケだ。動作音自体も極めて静粛で、ケース内に収めた際に音が気になることはない。
それでは、いよいよ最後は「RD-RX480-E8GB/OC/DF」の消費電力を確認してすべてのテストを締めくくろう。先ほど同様に「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」を4K解像度で動かした際の最大値を高負荷時、何もせず放置した際の最小値をアイドル時に設定。ワットチェッカーを利用して消費電力を計測する。
消費電力計測(W) |
Skylake最上位のCore i7-6700Kとの組み合わせにて、最大でも200W強という結果に収まった。ミドルレンジのマシンであれば400W以上の電源をチョイスしているはずで、補助電源1系統のRX 480カードは楽々運用できる。消費電力についてはそれほど気にすることはなさそうだ。
昨今のグラフィックス市場でやや押され気味とはいえ、さすが多くのコアなファンのハートを掴むRadeon。店頭での評判も上々なRadeon RX 480グラフィックスカードは、イマドキの主力タイトルでも4K解像度で遊べるだけの実力があり、申し分ないパフォーマンスをもっていた。Blu-rayをホンモノ以上になめらかに描画する「Fluid Motion Video」の評価も高く、アニメ(もちろん映画も)をキレイに観るならRadeon、というキーワードも多くのユーザーを引きつける魅力がある。
イマドキのゲームタイトルもしっかり高解像度でプレイできて、VR対応かつ「Fluid Motion」も使えるRX 480。現在は「Sid Meier’s Civilization VI」の無料クーポン(2017年3月15日まで)付きで販売されている |
そして今回チョイスした玄人志向の「RD-RX480-E8GB/OC/DF」は、RX 480搭載カードの中にあって、際立った派手さはない。ただし“隠し要素”でセミファンレスにも対応する優れたデュアルファン仕様の独自クーラーや堅牢な独自基板を採用するなど、確かな完成度に裏打ちされた質実剛健な1枚だった。
補助電源が6pin×1である点からもゴリゴリなカスタマイズには向かないものの、そのまま挿して使いたいカジュアルなユーザーにはそれで十分。価格的にこなれてきたRX 480搭載カードからハズレなしなモデルを選ぶなら、ぜひ選択肢に加えておきたい。