エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.540
2017.01.28 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
底面背面寄りのスペースに、3.5インチHDDを搭載してみる。まずHDD底面4つのネジ穴に「HDD SCREWS」を装着。これを底面の大きい穴に挿し込み、前方にスライドさせて小さい穴にセット。シャーシにはツールフリーで固定できる。なお同じフロアには電源ユニットがマウントされるため、前方に向けて固定するコネクタには、予めケーブルを接続しておくといい。
ほぼ左右ピッタリの幅に3.5インチHDDをマウント。なお奥行き100mmのSFX電源ユニットまでの距離は、実測で約40mmだった | |
3.5インチHDDに装着した「HDD SCREWS」。ゴムブッシュがシャーシ底面の小さい穴にロック。底面設置時に工具は不要だ |
SFX電源ユニットを覆うL時型ステイ。その天板に2.5インチSSDを搭載してみよう。コの字型ブラケットには両側面にネジ穴があり、「CARD READER & M/B SCREWS」でSSDを固定。あとはブラケットを元の位置に収めるだけ。なおコネクタはマザーボードトレイ側に向けてのマウントになる。
解説するまでもない作業だが、ブラケットの幅がやや狭く感じる場合は、SSDのカバーに傷がつかないように、左右のプレートを少し外側に曲げて調整する | |
2台の2.5インチSSDと、1台の3.5インチHDD。これが「P115A_BK」のストレージ収納力。ミニPCケースとしては平均的だが、容量不足を感じる場合は外付けストレージやオンラインストレージ等を活用すればいい |
製品の性格上、カスタマイズできる要素は少ないが、最後に排気能力を向上させてみよう。リアパネルには80mm口径ファンが最大2基搭載できるスペースと、ネジ穴が用意されている。ここに冷却ファンがあれば、素早く内部の熱が排出できるハズだ。少額な投資で高い効果が期待できるに違いない。
CPUソケット真横(右手)に位置する、リアの冷却ファン増設スペース。25mm厚の80mm口径ファン2基を用意したが、またもやトラブルが発生した | |
上段は問題がないもの、下段は3.5インチHDDにぶつかってしまった。空きスペースは実測約20mmである事から、スリムタイプの汎用ファンを用意する必要がある。これも頭に入れておこう |
“ゲーミング最強のMini-ITX PCケース”、PRIMO「P115A_BK」。決して大げさではなく、額面通り最強クラスのミニPCが構築できるだけの能力を秘めている。マザーボード倒立レイアウトにより、トップパネルと相対した格好でマウントされるグラフィックスカードは、奥行き最大280mmまでをサポート。通常より1段多い3段分の拡張スロットにより、どのミニPCケースよりもゆったりと搭載ができる。またトップパネルまでの空間(残り1スロット分)は、VGAクーラーの吸気用の重要なスペース。無理に詰め込んだ劣悪な環境下での運用に比べ、冷却面でも有利であるはずだ。
大型サイドフロー型CPUクーラーや、本格的な水冷ユニットの導入こそかなわないが、システムに見合った冷却を行えば、十分にゲーミングPCとして、その役割を果たすだろう。ハイエンドパーツが詰まった小型筐体は、所有欲も十分に満たしてくれる。工作精度も申し分なく、サイドパネルの着脱も小気味良い。なるほどそこはPhanteksの血統である事を思い起こさせる。これは”買ってもいい”PCケースだ。