エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.543
2017.02.15 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕 / 池西 樹
ラジエターは140mm口径ファン2基が搭載できる、いわゆる280mmサイズ。とは言え、ウォーターチューブが接続されているタンク部分の張り出しがあるため、実際の寸法は長さ315mmになる。PCケースの搭載スペースは、この35mm分を想定しなければならない。さらにラジエターの厚さは30mmとされ、25mm厚の冷却ファンを含めると、最低でも55mmのクリアランスが必要になる計算だ。
ラジエターのデザインはオーソドックスで、単体で眺めたところで製品名は特定できない。唯一側面には打ち出されたNZXTのロゴがあしらわれている。
140mm口径ファン2基が搭載できる事から、一般的には280mmサイズと呼ばれるラジエター。実際には側面にタンク部分の張り出しがあるため、長さは300mmをオーバーする | |
ウォーターチューブは入り口と出口が各1口。コア部分も一般的な設計 |
新しい「Kraken」シリーズは、ウォーターチューブの改良にも着手した。従来型「Kraken」は、弾力があるゴム製のウォーターチューブを使用。一方「Kraken X62」では、新たに高品質ナイロン製スリーブを追加し、取り回しのし易さはそのままに、耐久性が向上されている。
チューブ径は実測で約11mm。ラジエターからウォーターチューブまでの長さは約400mmで、ミドルタワーPCケースであれば、トップ面またはフロント面いずれの設置においても無理なくレイアウトできるだろう。
高品質ナイロン製スリーブでゴム製チューブを保護した、改良版ウォーターチューブの採用もトピックのひとつ。見た目の印象よりも柔軟で、しなやかなチューブはラジエターの設置場所を選ばず、ストレスなく設置ができる |
NZXTがラジエターのために用意したという、特別設計の冷却ファン「Aer P」。「Kraken X62」では、140mm口径ファン2基を使用する。一般的な冷却ファンとは異なる厚さ26mmで、コネクタは4pin(PWM)。回転数は500~1,800rpm±300rpm、騒音値21~38dBA、風量27.27~98.17CFM、静圧0.21~2.71mmH2Oとされる。
バンドルされるのはカタログモデルの「RF-AP140-FP」(型番:Aer P140)。流体軸受け(FDB)を採用し、製品寿命は60,000時間/6年間を実現 |
さらに詳細を確認していくと、インペラ(ファンブレード)の形状は、航空機の両翼端にも採用されている「ウイングレッド」設計。余分な空気抵抗を減らし、理想的な風量を発生させる事ができる。また長寿命タイプの流体軸受け(FDB)を使い、静音性と高耐久、そしてパワフルなエアフローを生み出すとされ、冷却能力を左右する重要なラジエターの冷却に威力を発揮する。