エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.543
2017.02.15 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕 / 池西 樹
冷却ファン回転数(室内温度18.4℃) |
続いて回転数を確認すると、アイドル時はファンの最低回転となる500rpm前後で推移。高負荷時でも定格では約670rpm、4.80GHz駆動時でも公称値最高値(1,800±300rpm)の約半分となる約890rpmで頭打ち。冷却性能にはまだまだ余力が残されている状態だ。
定格クロック:騒音値(暗騒音32.1dBA) |
回転数が500rpm前後で推移するアイドル時は室内ノイズとほぼ変わらず、無音に近い状態。高負荷時も定格で35.4dBA、4.80GHz駆動時でも+3dBAの36.7dBAまでしか上がらず、バラック状態でも動作音が気になることはなかった。
オールインワン型水冷ユニットは、どこに向かおうとしているのだろうか。昨今の自作PCにおけるキーワード「魅せるPC」の台頭により、パーツをひとつずつ選定し、ドレスアップ要素も強いDIY水冷が注目を集めている。今ではオールインワン型水冷ユニットは、その後ろに隠れる存在になってしまった。
とは言え、DIY水冷はある程度のスキルが求められること、また水漏れやメンテナンスについては、完全に自己責任になることを認識する必要がある。このハードルの高さにより、本格的なDIY水冷に踏み切れない自作派は多いはずだ。一方でドレスアップは楽しみたいという要望は変わらず、そんなリクエストに応え、製品化されたのが”ALL-NEW KRAKEN”というワケだ。
自作PCパーツメーカーの中でも、特に趣味の要素に重点を置くNZXTは、独自のユーティリティ「CAM」をウォーターブロックに埋め込んだインフィニティミラーで利用。LEDイルミネーションのカラーや発光アクションの制御を容易にした。さらに実用面でもポンプ・ファン回転数をシームレスに変更。大規模サーバーを監視するシステムのように、PC全体の状況をリアルタイムに可視化する事ができる。これらはDIY水冷には無い特権で、オールインワン型水冷ユニットならではの楽しみ方として大いに差別化ができるだろう。
肝心な冷却性能はテスト結果が全て。最新のKaby Lake上位プロセッサ、Core i7-7700Kのオーバークロック状態でも、水冷ならではの数字を残している。もはや解説はいらない。
オールインワン型水冷ユニットの存在感を、ふたたびアピールした“ALL-NEW KRAKEN”、NZXT「Kraken X62」。その進化はまだまだ続きそうだ。