エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.545
2017.02.20 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
最後に消費電力の違いを確認しておこう。計測は「CINEBENCH R15」実行時における最も高い数値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
消費電力(W) |
ほとんど動作に違いがない「Normal」と「Sports」は消費電力もほぼ同等。一方「ECO」では高負荷時の消費電力が約55Wと大幅に低下。比較的軽い処理を行う場合などは、有効なモードになるだろう。
また5.0GHz駆動時は約35W消費電力が増加するが、高品質コンポーネントで構成される14フェーズ電源回路のおかげで不安定な挙動を示すことはなかった。
BIOSTAR 200シリーズの最上位モデルとしてデビューした「Z270GT9」。SATAポートの構成や、ゲーミングモデルでは珍しくNVIDIA SLIに非対応となるなど、他社のハイエンドに比べるとやや癖がある印象。しかし、6スロットのPCI-Express3.0(x16形状)や3系統のNVMe SSDインターフェイス、最新チップによるUSB3.1 Gen.2ポート、高音質オーディオ回路など、基本機能は充実。また堅牢設計の14フェーズ電源回路により、オーバークロックも十二分に楽しむことができる。
少々癖はあるものの、フラッグシップに恥じない充実した装備を身に纏う「Z270GT9」。コンシューマー向けだけでなく、ワークステーション用途にも好適だ |
もちろん256GBのNVMe SSDと、高い冷却性能を誇るオリジナルM.2ヒートシンクの存在も評価できるポイント。最近では汎用のM.2ヒートシンクも増えてきているが、マザーボードを購入してすぐに安定かつ高速なストレージ環境を構築できるのは大きな魅力だ。さらにサーバー・ワークステーショングレードの10ギガビットLANまでついて、5万円弱という価格設定はまさに破格。ゲーミングPCのようなコンシューマ向けはもとより、クリエイティブ系の作業を行うワークステーションのベースとしてもオススメできる製品だ。