「QuickConnect」を使って外部からアクセス

LAN経由での使い方を把握したところで、外部からのアクセスにチャレンジしてみよう。ノートPCはもちろん、スマートフォンやタブレットを使いインターネット経由でアクセスする。ここで登場するのが、初期設定で登録した「Quick Connect ID」だ。ブラウザーを立ち上げURLに「http://QuickConnect.to/“QuickConnect ID”」を入力するだけでログインできる。

ノートPCからアクセスしたところ、ログイン画面を経てすぐにDSMの画面が表示。自宅のPCからLAN経由で使用している時と変わらずに利用できる

iOSやAndroidでは、専用アプリ（「DS Photo」「DS audio」「DS video」「DS file」など）が用意されている。いずれも、スマートフォンならではの直感的な操作が可能。例えば「DS Photo」では、NASに保存した画像を外出先から閲覧したり、スマートフォンの画像を自動アップロードしたりといった便利な機能がある。もちろん音楽再生「DS audio」や動画再生「DS video」も操作可能。安定した通信環境の確保が必要だが、ルーターの煩雑な設定不要でこれらの機能が使える点は、非常に便利だ。

iPhone（iOS）から「DS216j」のDSMにアクセス。PC同様に使えるほか、専用アプリを使えばより操作性が向上。通信環境によるが、サムネイル表示もスムーズだった

拡張性を秘めたNAS入門機の佳作

今回は発売から1年が経過した、人気の2ベイNASキットを取り上げた。実は筆者が所有しているNASは、とにかく内蔵HDDにデータを貯め込む事だけに徹する、やや世代の古いモデル。今でも最低限の仕事はこなしてくれるが、イマドキの売れ筋「DiskStation DS216j」の利便性の高さは、まるで別モノのように感じた。すこぶる便利だ。

本稿では、オンラインストレージとのコストパフォーマンスを比較した。改めて考えてみると、大切なデータを手元に置かない”不安”は、大切なデータが飛んでしまう”不安”に似てどうにも心許ない。手軽で便利なオンラインストレージは「データの質」で使い分け、特別なスキルを必要とせずに導入できるNASをホームネットワークに設置。どこからでもデータへのアクセスとバックアップができるスタイルは、誰もが魅力的に感じるストレージ環境が構築できる。

入門機として定評の「DiskStation DS216j」。機能を拡張するアプリも豊富に用意されている点も、人気の理由。特にNAS未体験の人には、オススメの1台だ。