エルミタ的一点突破 Vol.44
2017.04.08 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕 / 池西 樹
ここからはストレステスト「OCCT 4.5.0」による、Thermaltake「Contac Silent 12」の冷却性能を検証していこう。CPUにはRyzenシリーズの最上位モデルRyzen 7 1800Xを用意し、ファンの回転数は標準回転とLNC使用時の2種類を計測した。なおCPUの温度は通常使用している「HWMonitor」で取得できなかったため、マザーボード付属のユーティリティで測定。アイドル時は起動直後10分間放置した時の数値、高負荷時は「OCCT 4.5.0」を動作させ30分経過した時の数値をそれぞれ採用している。
テスト用のCPUにはRyzen 7 1800Xを使用。高負荷時はおおむね3.70GHzで駆動するが、瞬間的に4.10GHzまでクロックが上昇する | |
「HWMonitor」でCPUの温度が取得できなかったため、今回はマザーボード付属のユーティリティ「ASRock F-Stream」の数値を採用した |
CPU温度(室内温度20.1℃) |
標準回転時の温度はアイドル時が29℃、高負荷時が55℃で、オクタコアのRyzen 7 1800Xを完全に冷やしきることができる。またXFR機能により、ファイルの開閉やアプリケーションの起動時など、高負荷に切り替わる瞬間に4.10GHzまで動作クロックが上昇するのが確認できた。
続いてLNC使用時の温度を確認すると、アイドル時は33℃、高負荷時でも60℃前半で推移。スパイク値も65℃を超えることはなく、定格運用なら問題はないだろう。ただし標準回転に比べてXFRの効きは悪くなり、テスト中に4.10GHz動作までクロックが上がることはほとんどなかった。
冷却ファン回転数 | |
騒音値(暗騒音33.1dBA) |
次にファンの回転数と騒音値を確認していこう。標準回転ではアイドル時は1,000rpm前後、高負荷時でも+100rpmの1,100rpm前後で頭打ち。騒音値もアイドル時が36.8dBA、高負荷時が37.4dBAで、そのまま使用した場合でも静音性はなかなか優秀。
またLNC使用時はアイドル時が660rpm前後、高負荷時でも724rpmまでしか上がらず大幅に回転数が低下。騒音値も暗騒音から+1.7dBAの34.8dBAで、バラック状態でも風切音はほとんど耳に入らなかった。ファンコントロール機能が搭載されていない、もしくはあまり細かい設定ができないマザーボードでは、LNCは静音化の有効な手段となる。