エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.561
2017.04.29 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
「COMPUTEX TAIPEI 2015」のブースデビューから2年あまり。どこまで受け入れられるかは未知数だったオープンフレーム型PCケースは、意外にも大ヒット。今やThermaltakeを代表する製品のひとつに数えられる。「魅せるPC」というキーワードを定着させた元祖でもあり、自作PCの楽しさを新しい角度からアプローチした秀作は、今もって進化を続けている。
今回取り上げる「Core P1 TG」(型番:CA-1H9-00T1WN-00)は、歴代最もコンパクトなサイズで設計された、Mini-ITXフォームファクタ専用モデル。フロントに5mm厚の強化ガラスを備えた”例のスタイル”はそのままに、自作PC市場で根強い人気のミニPC愛好家に向け、国内市場でも4月末より販売が開始された。
Thermaltake「Core P1 TG」(型番:CA-1H9-00T1WN-00) 市場想定売価税抜10,980円(2017年4月28日発売) 製品情報(Thermaltake)(株式会社アスク) |
Thermaltakeのオープンフレーム型PCケースは、これまで「Core P5」(型番:CA-1E7-00M1WN-00)「Core P3」(型番:CA-1G4-00M1WN-00)がリリースされており、バリエーションモデルも存在。さらに今年3月にはシリーズ中、最も大型なフルタワーモデル「Core P7 TG」(型番:CA-1I2-00F1WN-00)も発表。今回「Core P1 TG」がラインナップに加わり、ミニPCからフルタワーPCまで、オールジャンルでThermaltakeのオープンフレーム型PCが楽しめる事になった。
2015年12月に徹底検証した「Core P5」 | シリーズ中最も大型な「Core P7 TG」 |
門馬ファビオ直伝。Thermaltake「Pacific」で組むDIY水冷の世界では、「Core P3」をベースモデルにチョイスした |
実機をチェックする前に、「Core P1 TG」の概要をスペック表から把握しておこう。対応フォームファクタはMini-ITXだけに、通常の箱形PCケースに置き換えれば、ミニタワーPCとなるだろう。外形寸法を確認すると、幅は332mm、奥行きは380mm、そして高さは422mmだ。数値だけを見ると、Mini-ITXの売り文句である「設置場所を選ばない省スペースPC」とはやや事情が違う。縦置き・横置きならぬ「正面設置」が基本のオープンフレーム型PCケースだけに、従来型Mini-ITX PCの概念は忘れる必要がある。導入前、設置スペースは余裕を持って確保しておこう。
「Core P1 TG」はおよそ15種類以上のパーツで形成されている |
なお重量は9.5kg。5mm厚の強化ガラスに加え、フットスタンドから1枚壁を垂直に設置し、構成パーツを取り付けていくスタイルは、大型ミドルタワーPCケースを凌ぐ重量感が必要というワケだ。なおシャーシ素材はSECCを採用。その他構造については、検証を進めながら細かく解説していこう。