エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.563
2017.05.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
ベンチマークテストを済ませたところで、次はテスト中における「GeForce GTX 1070 AERO ITX 8G OC」の挙動を冷却面からウォッチ。「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」を4K解像度で動作させ、その際の最大値を高負荷時、10分間何もせずに放置した際の最低値をアイドル時と設定。「GPU-Z」を使用してGPU温度とファン回転数の計測を行った。
GPU温度計測(℃) | |
ファン回転数計測(rpm) |
アイドル時にはファンの回転数が停止するファンレス状態の冷却ながら、温度は50℃以下で安定。高負荷時においても70℃を下回る温度で動作するなど、きわめて優秀な冷却パフォーマンスを示している。ファンの稼働率も高負荷時ですら63%と余裕があり、よりシビアな環境でもしっかり冷やし切ってくれるハズだ。動作音は間近でテストをしていても気にならず、ケースに収めた際の存在感はほぼゼロと言っていいだろう。
最後は、動作中の「GeForce GTX 1070 AERO ITX 8G OC」の消費電力を振り返り、テストセッションを締めくくろう。先ほど同様に、「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」を4K解像度で動かした際の最大値を高負荷時、何もせず放置した際の最小値をアイドル時に設定。ワットチェッカーを利用して消費電力を計測した。
消費電力計測(W) |
Kaby Lakeの最上位CPU Core i7-7700Kを組み合わせた環境ながら、消費電力は最大230W程度。恐らく400~600Wクラスの電源ユニットをチョイスしているであろうことを考えれば、運用にまったく問題はない。ややオーバークロックがかかったモデルながら、消費電力を意識するシーンはほぼなさそうだ。
スモールフォームファクタでハイパワーのゲーミングマシンを構築しようと思えば、およそ現実的な最上位の選択肢はGeForce GTX 1070のショートモデルということになる。特に今回検証を行った「GeForce GTX 1070 AERO ITX 8G OC」は、全長175mmというMini-ITXマザーボード同等のサイズ感が非常に魅力的。拡張スロットを2基備えたケースなら、ほとんど問題なく組み込めるはずだ。
狭小なMini-ITXケースにも楽々搭載、ハイエンドGPUを確実に冷やしきる冷却能力は大きな魅力。ミニマムでパワフル、ド安定なマシンを組む際の有力な選択肢になってくれそうだ |
また、狭小なスペースに搭載することによる冷却面での不安も、“ITX Thermal Design”の冷却機構が解決。騒音に悩まされることもなく、十二分に確保された余裕の冷却能力が安定動作を支えてくれる。
軍用基準を満たす「ミリタリークラス4コンポーネント」の耐久性も評価が高く、ショート版GeForce GTX 1070の中では屈指の信頼度。セミファンレス仕様などイマドキのトレンドもしっかり押さえたオーバークロックモデルとあって、実に満足のいく1枚に仕上がっている。ハイパワーな省スペースマシンを組み上げるなら、是非とも構成パーツの選択肢に加えたい。