エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.572
2017.06.02 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕 / 池西 樹
次に冷却ファンから30cmの位置に設置したデジタル騒音計を使い、騒音値をチェックしていこう。
騒音値/「AUTO」(暗騒音32.6dBA) |
回転数にほとんど変化がなかった「AUTO」。騒音値はいずれも34dBA前後で横並び。暗騒音との違いも+1.5dBA前後しかなく、バラック状態でも耳を澄まさなければ風切音が聞こえないほど。ポンプのノイズもほとんどなく、ケースに入れてしまえばその他の音にかき消されてしまうだろう。
騒音値/「PWM」(暗騒音32.6dBA) |
「PWM」でもアイドル時の騒音は「AUTO」とほとんど変わらず。ただし高負荷時は定格では42.5dBA、4.70GHzでは47.5dBAまで上昇してしまった。冷却性能にはかなり余裕があるため、「PWM」制御時はもう少し回転数を下げた設定がオススメだ。
先代「Kelvin」シリーズの面影無く、ポンプ一体型ウォーターブロックの形状を変えた「Celsius S24」。とは言え、120mm口径ファン2基を並べてラジエターに搭載する、240mmサイズオールインワン型水冷ユニットのスタイルは、現在流通しているモデルと大きくは変わらない。さらに言うならば、この手の製品が出始めた頃のスタイルとも大きく違わない。外観で差別化が難しいアイテムとあって、各社はより細部にこだわり、小さな箇所でも改良を重ね完成度を高めている。
そんな中にあって、「Celsius S24」最大のトピックとなるのは、ラジエターに装備された「ファンハブ」の存在だろう。わずらわしいケーブルの処理について、ユーザーは最小限の作業で済んでしまう。小さな事かもしれないが、同様の製品に触れる機会が多い筆者にとって、ライバルモデルから抜き出た小技は、想像以上に便利であると感じた。
一方で肝心な冷却性能だが、その結果は最終セッションを見れば明らか。強いて言うならば、冷却性能として表される数値は、構成パーツの複合的なバランスによるものであるはず。その一翼である「Dynamic X2 GP-12 PWM」は、単体で動作させても非常に滑らかで、このシステムにマッチしていると感じた。
先代「Kelvin」シリーズから、システムの世代が進んでいるため直接比較はできないものの、現行プラットフォームに合わせて進化を遂げた「Celsius S24」。Fractal Design人気が高い日本市場だけに、「Define」シリーズと組み合わされたシステムが、数多く生まれる事になるだろう。