エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.582
2017.07.14 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
最大8枚のメモリを搭載できる「X299 Taichi」。大容量メモリに加え、クアッドチャネルによる広大な帯域幅も魅力だ |
クアッドチャネルに対応するLGA2066プラットフォームでは、広大なメモリ帯域も魅力のひとつ。今回のテスト環境では2,400MHz動作のSanMax製DDR4メモリを8枚搭載しているが、どの程度のメモリ帯域を確保できているのか「Sandra 2017」を使い確認していこう。なお比較対象にはIntel Z270とCore i7-7700KによるKaby Lake環境を用意した。
4枚のメモリに同時アクセスするクアッドチャネルに対応。同クロックであれば、論理的にはデュアルチャネルの2倍の帯域幅を確保できる | |
メモリの帯域(GB/秒) | |
メモリのレイテンシ(ns) |
メモリ帯域は整数メモリ帯域、浮動小数点メモリ帯域ともCore i7-7700Kの約2倍で、クアッドチャネルの効果がシッカリとスコアにも表れている。最大メモリも128GBまで搭載できることから、メモリ性能を重視するならLGA2066プラットフォームは非常に魅力的な存在だ。ただし、大量のメモリを制御するため同クロックのメモリでは、レイテンシはやや遅め。レイテンシにも気を配りたいなら、より高速なメモリを組み合わせてやるといいだろう。
Intel X299では、Intel X99では非対応だった「PCIe/SATAリマッピング」機能に対応。「X299 Taichi」では標準状態で中段のM2_2と下段のM2_3のリマッピングが可能 |
Intel X299では、Intel 100シリーズ以降で追加された「PCIe/SATAリマッピング」機能に対応するため、「Intel Rapid Storage Technology」(IRST)によるNVMe SSDのRAID構築が可能だ。UEFIをチェックしてところ「X299 Taichi」では中段のM2_2と下段のM2_3のリマッピングがサポートされていたため、今回は2枚のNVMe M.2 SSDを使いRAID 0環境の構築に挑戦することにした。
RAID 0の構築によってシーケンシャル読込は約1.5倍、書込は約2倍までスコアが上昇。さらにランダムアクセスも読込は約2倍にアップした。Intel X299では、CPUのPCI-Express3.0レーンを使用するNVMe RAID機能「VROC」も用意されているが、フル機能を開放する専用ドングルは未だ未発売。それまでのつなぎとして「PCIe/SATAリマッピング」機能によるRAID構築は十分有効な方法になるだろう。