エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.587
2017.08.03 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
実動テストの最後は、実際のゲームプレイを想定した「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」のベンチマークテストで締めくくろう。設定はDirectX 11モードの「最高品質」を選択した上で、GTX 980の機能である「Dynamic Super Resolution(DSR)」を有効化。3,840×2,160ドットのカスタム解像度で検証を行った。なお、最大の消費電力は252Wだった。
「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」による各電圧の変化 |
「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」による各電圧の最大/最小/平均値 |
こちらも負荷状況に応じてグラフにも変動が見られるが、定格を割るシーンはほんの一瞬。+12Vにおける最大と平均値の差は0.107Vで、ベンチマーク中はほとんど定格ピッタリの12Vに張り付く安定動作を見せていた。+3.3Vと+5Vはほぼ変動がなく、余裕が少ないはずのSFX電源とは思えない安定性だ。
動作チェックはバラック状態で行っていたが、やはりケースに組み込んだ際の収まりは気になるところ。そこで今回はSFX電源対応ケースを代表して、ENERMAX製の人気MicroATXケース「STEELWING」を取り寄せ、実際にシステムを組み上げてみることにした。
さすが片手に収まる程度の大きさとあって、コンパクトなケース内でも圧迫感はほとんど感じない。フラットケーブルの取り回しも良好だ |
占有面積が小さくケーブルも最小限で済むため、エアフローの最適化にも一役買ってくれる。この余裕こそ、ATX電源より一回りも小さいSFX電源ならではのメリットだ |
サイズのために何かしらを犠牲にした電源ユニット、という一面的な見方は、いまのSFX電源には必ずしも通用しない。今回検証を行った「Revolution SFX」もその一つで、80PLUS GOLD認証の高効率設計やフルモジュラーのケーブル仕様、セミファンレスのスマートな冷却機構など、現行の電源ユニットに求められる要素はすべて揃っている。容量も650Wあればアッパーミドル環境を駆動させるには十分で、ATX電源と比較しても引けを取らない。いざSFX電源を探す段になれば、まず最有力の選択肢に上がってくるのは間違いないだろう。
ATX電源匹敵の性能と信頼性を備えた、SFX電源ユニット「Revolution SFX」。付属の変換を活用し、“限りなく小さいATX電源”として使ってみるのも面白い |
もっとも「Revolution SFX」の場合は、ATX変換ブラケットが標準で同梱されることから、活躍の場はSFX環境だけに留まらない。片手に収まる大きさはケース内での制約も少なく、ATX電源以上のクリアランスをとることが可能。余分な空間は良質なエアフロー構築に役立つほか、他の構成パーツとも喧嘩することなく、余裕をもって組み込める。ここはあえて“極小サイズのATX電源”として、ATX対応のMicroATXケースに組み込んでみるのをオススメしたい。
協力:株式会社クーラージャイアント