エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.589
2017.08.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
デスクの上に無理なく置けるコンパクトなゲーミングPCが欲しくなり、まずはCPUの選定を始めました。元々はCore i5-7600を基本線に検討していたのですが、ほぼ同時期にRyzenシリーズがデビュー。その優秀なワットパフォーマンスに魅力を感じ、特に人気の高かったRyzen 5 1600を購入しました。
Core i5-7600と同価格帯で、TDPも同じ65W。にも関わらず6コア/12スレッドに対応し、その差は歴然。グラフィックスカードにGeForce GTX 1060を採用するミドルレンジクラスのPCを組み上げる予定だったのでまさにベストチョイス。またマザーボードには10,000円前後で購入できるゲーミングモデルMSI「B350M GAMING PRO」を、PCケースにはコストパフォーマンスに定評のあるIn Winの強化ガラス採用ミニタワー「301」を使用。少し予算に余裕ができたので、その分で、M.2 SSDなど他のパーツを豪華にしてみました。
最終的にゲーミングPCらしく、レッドLEDでマザーボードやトップフローのCPUクーラーをドレスアップ。ゲームから動画のエンコードまでこれ1台でほぼすべての作業がこなせるマシンに仕上がりました。もちろん、Ryzen 7シリーズの方が高性能ですが、個人的にはRyzen 5がコスト、消費電力、性能のバランスが取れたCPUだと思います。
自作を始めて以来、CPU・グラフィックスカードともAMD製を貫いている生粋のAMD党。メインマシンでは、AMD初の6コアCPUとして登場したPhenom II X6 Black Edition 1090Tを長年にわたり使い続けていました。
しかしRyzenシリーズの登場により、遂にシステムを刷新。まずはメインマシン用にRyzen 7 1800Xを、その後サブマシン用にRyzen 5 1400を相次いで購入しました。その良さを知るために最上位モデルと最下位モデルを揃えてみましたが、想像以上の働きをしてくれたのがRyzen 5 1400です。
約2万円で買える4コア/8スレッドCPUとしては本当に優秀。シングルスレッド処理はIntel製という人もいますが、実際にゲームを動かしてみたところ、十分なパフォーマンスを発揮。さらにCPU性能に余裕があるため、普段使いでの消費電力や発熱を低く抑えられるのもメリット。エアフローや冷却に苦労しないため、PCケースの選択の幅も広がります。
マザーボードは、個人的に注目していたMini-ITXモデル「Fatal1ty AB350 Gaming-ITX/ac」をチョイス。メモリはCORSAIRの2,666MHz駆動品を使っていますが、安定動作しています。今はバラック状態でアレコレといじって楽しんでいますが、そろそろMini-ITXケースを購入して、コンパクトPCとして組み上げたいですね。Ryzen 5シリーズは安価ながら実用性も抜群。まさに自作の醍醐味を味わうにはピッタリのCPUです。
元々あまりRyzenシリーズに興味はなく、購入する予定もありませんでした。しかし店内に展示されていたデモ機でそのパフォーマンスを体験。そして連日飛ぶように売れていくその熱気にやられ、いつの間にかRyzenデビューしていました。
購入したのは、最上位モデルRyzen 7 1800Xと同クロックの3.6GHzで動作するRyzen 5 1600X。実勢価格は30,000円前後ながら、Intel Core i7-7700より高性能。特にマルチスレッド処理は優秀で“ながら作業”に向いています。ゲームをしながら、動画エンコードなど多数のアプリを立ち上げても、すべての処理をそつなくこなしてくれます。
Intel X99 Expressプラットフォームからの移行ですが、発熱は格段に抑えられました。マザーボードのVRM周りはやや熱いですが、トップフロークーラーを使えば問題は解決。冷却に掛かるコストを低く抑えることができ、その分SSDやグラフィックスカードに投資できるため、PC全体のパフォーマンスを引き上げることができます。
2万円台から購入できるRyzen 5シリーズは、Ryzenの性能を試してみたいという人にはまさにピッタリのモデルです。
協力:日本AMD株式会社
株式会社アスク