エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.591
2017.08.15 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
最後のセッションでは、Antec「P8」を使って実際にPC台を組み込んでみよう。ここまでの検証で分かった事は「DIY水冷を駆使してガッツリ組み上げる」ではなく、「実用的かつ魅せる要素も楽しみたい」と考える、今最もニーズの高い層をターゲットにしたモデルであること。ライトユーザーから中堅クラスまで、幅広いリクエストに応えることができるのだろうか。
組み込みセッションの手始めは、マザーボードを搭載してみる。とは言ったものの、ATX規格に合わせ、出荷時よりスタンドオフは固定済み。マザーボード付属のバックパネルをはめ込み、あとは付属のインチネジを締め付けていくだけだ。「P8」の下部はカバーに覆われている分、マザーボードの居住スペースは若干狭くなっている。リアパネルに近いマザーボードの左縦列のネジ留め用に、軸の長い磁力のあるドライバーを1本用意したい。
搭載テストにはATX規格(305×244mm)のマザーボードを使用。いい意味で内部設計に無駄はなく、トレイにピッタリと収まる印象だ。なお開口部のサイズは実測で幅約377mm、高さは約332mmだった |
マザーボード上端とトップパネルまでの距離は実測で約30mm | マザーボード右端と標準装備の120mm口径ファンまでの距離は実測で約130mm |
マザーボードを搭載したところで、CPUクーラーの有効スペースを計測しておこう。手元資料によると、CPUクーラーに与えられた有効高は165mmまで。疑い深く実測を試みたところ、言うまでもなく数値はクリアしている事が分かった。
「P8」に搭載できるCPUクーラーは、高さ165mmまで。このクラスであれば、多くの選択肢からシステムに見合った製品を搭載できるはずだ |
マザーボードトレイ背面に回り、CPUソケット周辺のカットアウトサイズを計測する。俗に言うCPUクーラーメンテナンスホールは、四角ではなく、左下を斜めにカット。カットサイズは最大部で高さ約163mm、幅約200mmといったところ。横方向に余裕があり、大判のバックプレートでも露出させる事ができるだろう。
CPUクーラーメンテナンスホールは、単なる”打ち抜き”ではなく、周囲は曲げ加工が施されている |