エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.596
2017.09.10 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕/池西 樹(テストセッション)
ここからは、Cooler Master「MasterLiquid Lite 120」の冷却機器としての実力を、ストレステスト「OCCT 4.5.1」を使いチェックしていこう。CPUにはRyzenシリーズ最上位の8コアモデルRyzen 7 1800Xをチョイス。定格運用に加え、電圧を1.4500V、クロックを4.00GHzにオーバークロックした状態でも測定を実施した。なおCPUの温度やファンの回転数は「HWMonitor 1.32」で測定。アイドル時は起動直後10分間放置した際の数値、高負荷時は「OCCT 4.5.1」を動作させ30分経過した際の数値をそれぞれ採用している。なおテスト環境の詳細構成は以下の「テスト機材構成表」を参照頂きたい。
テスト用のCPUにはRyzenシリーズ最上位のRyzen 7 1800Xを使用。高負荷時はおおむね3.70GHzで動作する |
4.00GHzにオーバークロックした状態。クロックは固定で、コア電圧は最高1.456Vまで上昇 |
CPUの温度とファンの回転数は「HWMonitor 1.32」の数値を採用。なお水冷ポンプのスピード(AUXFANIN0)は、2,200rpm前後で常に一定だった |
まず定格時の温度を確認すると、アイドル時は33℃、高負荷時でも+20℃の53℃が最高。Intel製CPUのように一瞬だけ温度が上がるスパイクも見られず、8コア/16スレッドCPUの発熱を完全に押さえ込むことができる。またコア電圧を盛っているため、消費電力が100W以上も上昇する4.00GHz駆動でも66℃で温度は頭打ち。よほどアグレッシブなチューニングを行わない限り、冷却性能が不足することはないだろう。
アイドル時のファンの回転数は定格で850rpm前後、4.00GHzでも900rpm前後で、冷却性能が完全に飽和。また高負荷時でも定格では、約70%の1,400rpmで推移。温度も53℃と低かったことから、まだまだ余力を残していることがわかる。一方、4.00GHzでは、高負荷時はフル回転となる2,100rpm前後まで上昇しており、冷却性能を目一杯使用していることがわかる。
次にファンから30cmの距離に設置したデジタル騒音計を使い、騒音値を測定していこう。なお今回は公平を期すため、測定時にVGAクーラーのファンの回転は強制的に停止させている。
アイドル時は定格、4.00GHzとも34.0dBA前後で推移。また高負荷時でも定格であれば36.8dBAまでしか上がらず、静音性は良好だ。ただしファンがフルに回転する4.00GHzでは44.3dBAを計測。バラック状態では少々風切音が気になった。