エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.599
2017.09.18 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
「X399 AORUS Gaming 7」では3台のM.2スロットすべてに「M.2 Thermal Guard」を搭載 |
SATA3.0(6Gbps)SSDを圧倒するパフォーマンスの一方で、発熱という厄介な問題を抱えるNVMe M.2 SSD。近頃では、マザーボードメーカー各社も対応に乗り出し、デザイン性を損なうことなく冷却できるシステムを導入している。もちろん、GIGABYTEも例外ではなく、肉厚のヒートシンク「M.2 Thermal Guard」を開発。ハイエンドモデルを中心に搭載を進めている。
「M.2 Thermal Guard」は、M.2 SSDをスロットに装着し、上からかぶせて固定するだけ。裏面にはあらかじめ熱伝導シートが貼り付けられており効率的に放熱できるようになる |
そこで、今回はこの「M.2 Thermal Guard」の冷却性能を「CrystalDiskMark 5.2.2」を使いチェックしてみることにした。テストはデータサイズ32G、テスト回数9回のベンチマークを3回連続で実施。その時の温度推移と転送速度を「HWiNFO64」で計測。なお検証用のSSDにはIntel「600p」シリーズの256GBモデル「SSDPEKKW256G7X1」を使用した。
「M.2 Thermal Guard」未使用時の「CrystalDiskMark 5.2.2」スコア | 「M.2 Thermal Guard」使用時の「CrystalDiskMark 5.2.2」スコア |
「M.2 Thermal Guard」未使用時は、テスト開始とともに一気に温度が上がり、最高76℃を記録。その後、サーマルスロットリングにより温度上昇は抑えられるものの、シーケンシャル読込は950MB/sec前後、書込は210MB/sec前後まで大幅に落ち込む。一方、「M.2 Thermal Guard」を使用すると温度上昇が緩やかになり、最高でも65℃で頭打ち。転送速度もシーケンシャル読込が1,450MB/sec前後、書込は550MB/sec前後へと回復する。また温度が低く抑えられることで、信頼性や耐久性への影響も大きいことは想像に難くない。最近ではさまざまなM.2向け冷却機器が登場しているが、標準で冷えるヒートシンクが付属するのは、NVMe M.2 SSDを使用するユーザーにとっては大きなメリットだ。
「M.2 Thermal Guard」未使用時のサーモグラフィー結果。アイドル時(画像左)でも54.8℃、高負荷時(画像右)は最高81.5℃までコントローラの温度が上昇 |
「M.2 Thermal Guard」使用時のサーモグラフィー結果。アイドル時(画像左)、高負荷時(画像右)ともコントローラ部分を中心に温度が拡散している様子が見てとれる |