エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.601
2017.09.28 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ここからはRyzen Threadripper 1950XをベースにしたPCを使い「LIQTECH TR4 360」の冷却性能をチェックする |
画像による検証が一段落したところで、ここからはENERMAX「LIQTECH TR4 360」の冷却機器としての実力を、ストレステスト「OCCT 4.5.1」を使いチェックしていこう。CPUにはRyzen Threadripper最上位のRyzen Threadripper 1950Xを用意。さらに今回は、定格運用に加え、電圧を1.375V、クロックを4.025GHzにオーバークロックした状態でも測定を実施した。
またCPUの温度やファンの回転数は「HWMonitor 1.32」で計測。アイドル時は起動直後10分間放置した際の数値、高負荷時は「OCCT 4.5.1」を動作させ30分経過した際の数値をそれぞれ採用している。なおテスト環境の詳細構成は以下の「テスト機材構成表」を参照頂きたい。
テスト用のCPUには16コア/32スレッドのRyzen Threadripper 1950Xを使用。マルチスレッド処理を行う場合は3.40GHz前後で動作する |
4.025GHzにオーバークロックした状態。コア電圧は最高1.375Vでほぼ固定されるが、アイドル時はコアクロックが2.20GHzまで低下する |
CPUの温度とファンの回転数は「HWMonitor 1.32」で計測を行った |
定格動作ではアイドル時が39℃、高負荷時でも50℃前半で推移。瞬間的に温度が跳ね上がるスパイクも見られず、TDP180WとされるRyzen Threadripperの発熱を完全に押さえ込むことができる。さらにコア電圧を盛ったことで、消費電力が100W以上増加する4.025GHz動作でも温度は64℃で頭打ち。ストレステストの他、いくつかベンチマークを実行してみたが、いずれも問題なく安定動作させることができた。
次にファンの回転数を確認すると、アイドル時は定格動作が920rpm前後、4.025GHz動作でも950rpm前後で、約40%前後の緩やかな回転数。また高負荷時でも定格動作では約55%の1,250rpm、4.025GHz動作でも約85%の2,000rpm前後で、まだ余力を残している。「LIQTECH TR4」シリーズなら、かなりアグレッシブなオーバークロックをした場合でも冷却性能が不足することはないだろう。