エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.609
2017.11.01 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
「EasyTune」を使えば、1クリックでシステムのチューニングが可能 |
GIGABYTE謹製チューニングユーティリティ「EasyTune」には、プリセットオーバークロック機能が搭載されており、初心者でも比較的簡単にPCの性能を引き上げることができる。そこで今回は標準設定の他、「ECO」と「OC」を選択し、パフォーマンスの違いを確認してみることにした。
「OC」を選択すると高負荷時のクロックが4.90GHzに上昇 |
「ECO」を選択するとマルチコアテスト時のクロックは4.30GHzに抑えられるが、その分電圧も1.068Vまで低下した |
自動的に最適なオーバークロック設定を検出する「AutoTuning」を実施したところ「OC」と同じ4.90GHzに設定された |
「OC」を選択すると4.90GHzまでクロックが上昇。「CINEBENCH R15」のスコアはシングルコアテストで約5%、マルチコアテストでは約11%と大幅にアップ。1クリックで行えるオーバークロックとしては上々の結果。また「ECO」選択時はシングルコアはほぼ同等、マルチコアテストでは若干スコアが低下。とは言えその差は約1%と小さく、体感的にはまったくその違いを感じることはないだろう。
最後にそれぞれのプリセットによる消費電力の違いを確認しておこう。計測は「CINEBENCH R15」実行時における最も高い数値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
動作クロックが4.90GHzに引き上げられる「OC」では約50Wと消費電力が大幅に増加。堅牢な電源回路のお陰でテスト中に不安定になることはなかったが、クーラーは高冷却なものを用意したい。また「ECO」では消費電力が約20W低下。今回の検証ではほとんど性能に違いはないことから、省電力重視ならオススメのプリセットだ。
ハイエンドゲーマーをメインターゲット据えた「AORUS」シリーズの中でも、上位に位置づけられる「Z370 AORUS Gaming 7」。サーバーグレードの堅牢な電源回路や、より細かなBCLK設定を可能にする外部クロックエンジン、最高4,133MHzの超高クロック動作のDDR4メモリ対応など、大幅に強化されたCoffee Lakeの持つポテンシャルを最大限に発揮できるよう、細部までこだわり設計されている。
性能や機能だけでなく、デザインや耐久性にもこだわる「Z370 AORUS Gaming 7」。実装コンポーネントも歪みや曲がりなく整然と配置され、見た目にも非常に美しい仕上がりだった |
このクラスの製品としては珍しく無線LAN機能を搭載しないこと、また「M.2 Thermal Guard」が1スロット分しか用意されていないことなど、やや残念な点はあるもののいずれも汎用パーツで対応が可能。一方で、他社を圧倒するRGB LEDイルミネーション機能や、アーマー仕様の各種スロット、NVMe RAIDに対応する3基のM.2スロットなど最近のトレンドはもれなく網羅。さらに最高品質のコンポーネントや充実した保護回路によって堅牢性も確保され、まさに「AORUS」シリーズが目標に掲げる、ゲーマーが求める「性能・機能・デザイン・耐久性」を兼ね備えた魅力的な製品に仕上げられている。
協力:日本ギガバイト株式会社