エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.612
2017.11.11 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
外回りのチェックを終えたところで、内部構造をくまなくチェックしていこう。「P110 Silent」は静音志向のミドルタワーPCケース。前面は通気孔が無いフラットパネル、トップも出荷時では密閉状態だけに、通気性が懸念される。そこで気になるエアフローレイアウトから解説する。
Antecらしいフラットデザインを採用するフロントパネル。スッキリと洗練されたスタイルだが、静音性を重視するあまり通気孔の類いはない。とは言え、両側面を見ると、上下約370mmにわたりスリットが設けられ、さらに下部にも空気の取り入れ口が確認できる。ちなみに”270°開閉ダブルヒンジ式”開閉ドアを備えた「P100」も同様に、両側面には通気孔が装備されていた。フロント密閉型PCケースはこれまで市場に複数出回っているが、通気性の悪さを懸念する声は思いの外少ない。
次にフロントパネルを外し、シャーシ側を確認すると、実測幅165mm、高さ415mmのマグネット固定式防塵フィルターが装備されている。この内側には、140mm口径ファン2基または120mm口径ファン3基が搭載できるスリットタイプのネジ穴を用意。出荷時は120mm口径ファン1基が標準搭載されている。なおラジエーターは360/280/240/120mm各サイズに対応。十分な拡張性が確保されていた。
ユニークなのは、フロントパネル両側面の着脱機構。スリットだけでは通気性が不十分なら、いっそのこと取り外してしまえばいい。ワンタッチ固定も良くできている |
次にケーストップの遮音カバーを外し、冷却ファン増設スペースを見ていこう。トップ面にも通気孔が用意され、平行に2本あるスリットは、冷却ファン固定用のネジ穴だ。出荷時は非搭載ながら、140mmまたは120mm口径ファン2基が増設可能。ラジエーターは280/240/120mmの各サイズが搭載できるようになっている。
ちなみに製品にはマグネット固定式のフィルターが付属。冷却ファンまたはラジエター増設時は、遮音カバーの代わりに装着することで、ホコリの侵入を防ぐことができる。
トップパネル部の増設ファンスペースもネジ穴はスリットタイプ。120mm口径用の内側は約30mm、外側は約40mmで、冷却ファンおよびラジエター固定位置の微調整ができる |
冷却ファンおよびラジエターの増設スペースは、トップパネル中央から後方までのスペースを利用。遮音カバーは両サイドパネル同様の二層構造になっていた |
遮音カバー取り外し後は、付属のマグネット固定式のフィルターを装着すればいい。遮音カバー同様前後分割式で、片側ずつ遮音カバーと防塵フィルターを装着するといった使い方もできるワケだ |
リア部には120mm口径ファン1基を標準装備。フロント搭載ファン同様、詳細スペックは開示されていないが、実際に動作させたところ静音性は高かった。なおエアフロー方向は外排気で、熱源となるCPUソケット周辺の空気滞留を防ぐ役割を果たしている。さらに120mmサイズラジエターに換装することもできる。
標準装備される冷却ファンのインペラ数は9枚で、フレームはリブ無し。固定部分は約30mmストロークのスリットタイプで、搭載位置の微調整ができる |