エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.631
2018.01.24 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
次に進化した最新「Define」シリーズ「R6」の内部構造に迫って行きたい。外観デザインこそ前作の面影を残しているが、内部構造は大幅に刷新。Fractal Designのアイデアが詰まった、その進化のほどを詳しく解説しよう。
前面の開閉ドアを開くと、防塵フィルタの向こうに140mm口径ファンが2基確認できる。この標準装備品は、フロント面からフレッシュな外気を常時取り込む役割を担う、重要な装備品だ。なおフラットデザインが象徴的な密閉型フロントパネルだが、両側面には幅約20mm、高さ約420mmにわたりスリットを設け、通気性を確保。風の通り道は十分に確保できている。
なおフロントパネル部は、120mm口径ファン3基に換装が可能。ラジエターは120/240/360mm、または140/280mmサイズが搭載できるようになっている。
着脱式防塵フィルタはナイロン製で水洗いが可能。ネジ穴はスリットタイプで、搭載面をよく見ると120mm口径ファン用のスリットも設けられている |
ボタンひとつで着脱できる第3世代「ModuVent™」を取り外すと、シャーシ面には等間隔に区切られた空きスペースが設けられている。もちろんここは冷却ファンの増設スペースだ。冷却ファンを搭載する場合、「ModuVent™」の外装パネルを取り外し、フィルターのみを装着。標準レイアウト時で120mm口径ファン×3基、または140mm口径ファン×2基が搭載可能。ラジエターは120/240/360mmサイズをサポートする。
第3世代「ModuVent™」を取り外すとスタイルは一変。後ほど解説するオープンレイアウト時では120/140mm口径ファン×3基が搭載可能。ラジエターは120/240/360mmサイズ、または120/280/420mmサイズをサポートする |
シャーシトップの内部パネルはネジ留め式につき着脱が可能。丸穴は給水口として活用できる「Water Cooling Fillport」。板厚は2mmで、穴の直径はφ25.4mmとされる |
本体リアからの排気用として、140mm口径ファンを標準で装備。熱源となるCPU周辺の熱ごもりを解消する重要な役割を果たしている。固定はネジ留め式で、ネジ穴は約20mmストロークのスリットタイプ。120mm口径ファン用のスリットも備え、簡易水冷クーラーのラジエター固定にも対応する。
なお標準で装備される全ての冷却ファンは、カタログモデルの「Dynamic X2 GP-14」(ホワイトインペラ仕様)だ。25mm厚の140mm口径ファンで、スペックは回転数1,000rpm、騒音値18.9dBA、風量68.4CFM、風圧0.71mmH2O。国内市場では2016年11月より販売が開始されている。
「Dynamic X2 GP-14」は軸受けにLLSベアリングを採用し、MTBF(平均故障間隔)100,000時間の高耐久を実現。ハミングノイズを低減する「ノッチ構造」や、エアフローの整流効果がある「トリップワイヤー」を備える独自インペラ、ノイズや乱気流を抑える空気力学に基づいたフレーム設計が特徴 |
電源ユニットが搭載される、ボトムカバー(シュラウド)内部。ボトム面にも冷却ファンが搭載できる。通気孔仕様で、防塵フィルタを備えた搭載エリアには、120mmまたは140mm口径ファンが2基増設可能。120/140/240/280mmサイズラジエターもマウントが可能だ。
ほぼ全面にわたる通気孔仕様だけに、冷却ファンの増設スペースとして活用できる。ただし電源ユニットと同一フロアとなり、両者を上手に共存させる必要がある |
マザーボードトレイ背面中央上部に搭載されている基板は「Nexus+ smart hub」だ。新たに導入された装備品は、電源供給用SATAケーブルと、マザーボード上のCPUファンコネクタに挿すケーブルをそれぞれ接続。3pinコネクタ6口と、4pin(PWM)コネクタ3口を備え、合計9基の冷却ファンの電源供給を一括で賄う事ができる。増設ファンスペースの多いPCケースだけに、マザーボード上のコネクタ不足解消はもとより、ケーブルマネジメントの観点からも便利な存在だ。
「Nexus+ smart hub」は左側に3pinコネクタを6口、右側に4pin(PWM)コネクタを3口装備。複数にわたる冷却ファン増設スペースを有するとあって、電源供給を一括で賄うファンハブの標準装備は実にありがたい |