エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.632
2018.01.28 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
そして実動テストの締めくくりには、実際のゲームプレイを想定して「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」のベンチマークテストを実行する。設定はDirectX 11モードの「最高品質」を選択肢、解像度は3,840×2,160ドットのカスタム解像度にセット。連続で30分間動作させ、その際の消費電力は最大257Wだった。
「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」による各電圧の変化 |
「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」による各電圧の最大/最小/平均値 |
実はこれまでのテスト中で最も差異がみられたテストながら、数値上の差は同様に微小な範囲に留まった。+12Vの最大・平均差は0.009Vで、結局すべてのテストにおいて変動幅が0.01V未満に収まることに。さらにどの電圧値も定格を下回ることなく、電源ユニットの検証としては、およそ理想的な結果を示している。
ミドルレンジユーザーも手を出しやすい80PLUS GOLD認証モデルは、いわば市場のスウィートスポットに位置する、最も売れ筋なクラスだ。そこへ新たに投入された「NeoECO GOLD」は、同クラスでも低価格帯をつけるシリーズであることから、価格で勝負のモデルだと思っていた。
ところが(某ハイグレードモデルを思わせる)整った内部設計に裏打ちされた、お値段以上の高い信頼性は見事。これでGOLD認証モデルの中でも安めに手に入るとなれば、コストパフォーマンスの高さは際立っている。まだ発売から間がないタイミングながら、ミドルレンジ向けの他モデルを押しのけ、トップクラスの売れ筋に君臨しても驚かないだろう。
奥行き140mmにトップクラスの信頼性が凝縮。使い勝手にも優れた「NeoECO GOLD」シリーズは、人気のGOLD認証モデルの新たな売れ筋になりそう |
また、そうした一級品の安定性や信頼性を実現しつつ、奥行きを140mmサイズに抑えた扱いやすさも要チェック。ケース内のクリアランスも通常以上に確保できるほか、実用的なセミモジュラー仕様のため、ケーブルも邪魔をしない。さらにベテラン勢に忌避されることもあるセミファンレスではなく、低速による常時回転を選択した冷却機構も好印象。Antecらしい信頼性重視の姿勢はそのままに、実用性十分でしかも安い。中堅の電源ユニットの中で、いま最も注目したいシリーズだ。
協力:Antec
株式会社リンクスインターナショナル