エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.634
2018.02.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
次に「ATTO Disk Benchmark 3.05」でもシーケンシャルアクセスの性能を確認しておこう。
ATTO Disk Benchmark 3.05 |
書込については16KB以降から1,250MB/secをマークし、転送もブレなく安定している。ただし、読込は最高値こそ3,056MB/secと公称値に近いスコアだが、この数値をマークできたのはデータサイズが4MBと8MBのみ。それ以外はおおむね2,300MB/sec前後で推移している。「SSD 600p」に比べるとだいぶスコアは安定しているが、まだ最適化の余地がありそうだ。
最後に高負荷時の温度とサーマルスロットリングの状況を確認していこう。負荷テストは「CrystalDiskMark 6.0.0」をデータサイズ32G、テスト回数9回に設定し、3回連続で実施。その時の温度推移と転送速度を「HWiNFO64」で計測した。
ベンチマークテストを開始すると、データ準備の段階から一気に温度が70℃前後まで上昇。その後75℃を超えるとサーマルスロットリングが発生し、パフォーマンスを落として温度を下げていることがわかる。スコアの落ち込みは読込、書込ともかなり大きく長時間データにアクセスする処理を行う場合、ヒートシンクやファンの増設を検討したほうがいいだろう。
「SSD 760p」のアイドル時(画像左)と高負荷時(画像右)のサーモグラフィー結果 |
またサーモグラフィー結果を見ると、NANDフラッシュはアイドル時が40℃前後、高負荷時は70℃前後まで上昇。さらにコントローラはアイドル時でも50℃以上、最高で101℃に達しており、製品寿命の観点からも何らかの冷却対策は施しておきたいところだ。
Intelのコンシューマ向けNVMe M.2 SSDでは久しぶりの新作となる「SSD 760p」。サイズの大きいデータを中心にやや得手不得手はあるものの、最高値についてはいずれもほぼ公称値通り。安価な価格設定で人気を博した先代モデル「SSD 600p」の弱点だったパフォーマンスにはシッカリとメスが入れられ、SATA3.0(6Gbps)SSDのハイエンドモデルとほぼ同等の金額で、約5倍も高速なストレージ環境を手に入れることができるようになった。
エントリーモデルの常識を覆す性能を実現した「SSD 760p」。価格面でNVMe SSDの導入をためらっていた人にぜひ使ってもらいたいアイテムだ |
また160万時間のMTBFや、128GBあたり72TBWに対応する書込耐性、さらに5年間の長期メーカー保証など、信頼性や保証の面でも不安はなし。M.2タイプのNVMe SSD共通の問題である発熱については今回も対策が必要だが、現在ではさまざまな解決策が用意されており、大きな問題にはならない。PC市場の巨人が満を持して投入した新モデルは、SSDメーカー、特にコストパフォーマンスモデルを得意とするメーカーにとって大いに脅威となる存在だ。
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