エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.635
2018.02.12 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
続いて消費電力についても確認しておこう。測定は起動直後10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時、「CINEBENCH R15」実行時の最大値を高負荷時に設定。“Wattup Pro”を使用して消費電力を計測している。
まったく同一の環境ではないため完全に横並びの比較はできないが、同じ65WのCore i5-8400と比較するとアイドル時でもRyzen 5 2400Gで2.6W、Ryzen 3 2200Gで4.0W、高負荷時はそれぞれ9.4Wと23.8Wもの差がつき、Ryzen 2000Gシリーズの省電力性能は非常に優秀。内蔵GPUによってどの程度消費電力が増えるのか未知数だが、300Wクラスの電源を用意してやれば、最も効率の良い状態で運用できるだろう。
Ryzen 2000Gシリーズでは、グラフィックカード用のPCI-Express3.0は8レーンに制限されているが、SSD用のM.2スロットの帯域がどうなのか気になるところ。そこでテストセッションのラストはNVMe M.2 SSDを使い、M.2スロットの帯域幅を確認しておこう。なおテスト用のSSDにはPCI-Express3.0(x4)の帯域幅を活かすことができる「M9Pe(G)」シリーズの512GBモデル「PX512M9PeG」を使用した。
Ryzen 5 2400Gの「CrystalDiskMark 6.0.0」のスコア | Ryzen 3 2200Gの「CrystalDiskMark 6.0.0」のスコア |
Core i5-8400の「CrystalDiskMark 6.0.0」のスコア |
Ryzen 5 2400G、Ryzen 3 2200Gとも、シーケンシャル読込は3,300MB/secを超えるスコア。このことから、M.2スロットについては4レーン分の帯域がシッカリ確保されていることがわかる。最近一気にラインナップが増えている3D TLC NANDを採用する高速モデルでもボトルネックを気にすることなく使用することができる。
今回は新生APU Ryzen 2000GシリーズのCPU性能を中心に検証を進めてきた。IntelからCoffee Lakeが先行して登場したこともあり、CPUコア性能については正直Ryzen登場時ほどのインパクトはない。特に上位モデルRyzen 5 2400Gは、価格帯的に競合するCore i5-8400が物理6コアを内蔵しているため、全体的にやや厳しい戦いを強いられた。とは言え、PCMark 10やメモリ帯域などでは上回るパフォーマンスを発揮するなど、意地を見せた。
また下位モデルRyzen 3 2200Gについては、対抗となるモデルがコア数、コアクロックともほぼ同じCore i3-8100ということで、CPU性能は互角の戦いができるのは間違い無し。さらにマザーボードもAMD A320チップなら約7,000円から、AMD B350チップでも約9,000円から購入でき、トータルコストをグッと下げることができるのも大きなメリットだ。これでグラフィックス性能が期待通りであれば、間違いなくローエンド帯の定番モデルになるだろう。
さてファーストインプレッションから始まったRyzen 2000Gシリーズの検証も次回の「GPU編」でラスト。注目のグラフィックス性能は如何なるものか、近日中にレビューをお届けするので楽しみにしていてほしい。