エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.649
2018.04.09 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
最後に上段のM.2スロットに標準装備されるオリジナルM.2ヒートシンク「M.2 Thermal Guard」の冷却性能をチェックしていこう。負荷テストは「CrystalDiskMark 6.0.0」をデータサイズ32G、テスト回数9回に設定し、3回連続で実施。その時の温度推移と転送速度を「HWiNFO64」で計測した。
まずヒートシンクなしの温度を確認するとアイドル時は29℃、高負荷時でも最高温度は56℃で、これまでの結果に比べるとかなり低い数値。これは「H370 AORUS GAMING 3 WIFI」の上段M.2スロットが、トップフローCPUクーラーの風が直接吹き付けるよう設計されているため。サイドフローCPUクーラーやオールインワン水冷を利用する場合は、もっと温度が上昇するはずだ。
また「M.2 Thermal Guard」を装着するとアイドル時で5℃、高負荷時は11℃も下がり、最高温度は45℃で頭打ち。エアフローの悪い状態でもサーマルスロットリングの心配はないだろう。
ヒートシンクなし(アイドル)のサーモグラフィー結果 | ヒートシンクなし(高負荷時)のサーモグラフィー結果 |
ヒートシンクあり(アイドル)のサーモグラフィー結果 | ヒートシンクあり(高負荷時)のサーモグラフィー結果 |
続いてサーモグラフィーの結果を確認していこう。直接SSDにCPUクーラーの風があたる好条件にもかかわらず、ヒートシンクなしの状態ではコントローラ部分は82.8℃まで温度が上昇し、冷却性能はやや不安が残る。トップフローCPUクーラーを使う場合でも「M.2 Thermal Guard」は忘れずに装着するようにしよう。
Intel Z370の登場から大きく間が空いたことも影響したためか、いつもにもまして高機能なモデルが少ないIntel H370マザーボード。そんな中にあって、ギガビットLANに匹敵する高速なIEEE 802.11ac無線LANや、華やかなライティングが楽しめるデジタルLED、NVMe RAIDに対応するデュアルM.2スロット、高速な外付けデバイスを接続できるUSB3.1 Gen.2ポートなど、イマドキの最新機能をもれなく搭載する「H370 AORUS GAMING 3 WIFI」は貴重な存在だ。
Intel H370最高峰の多機能ゲーミングマザーボード「H370 AORUS GAMING 3 WIFI」。OCやSLIは不要だけど、機能や品質には妥協したくない。そんな欲張りなニーズに応えてくれる1枚だ |
上位チップIntel Z370のハイエンドモデルと比較しても、オミットされているのはオーバークロック機能やSLI、M.2スロットの帯域幅など、チップセットに起因するものばかり。低遅延・低負荷なIntel製ギガビットLANや、S/N比120dBのオンボード最高クラスのオーディオ回路、安定性を重視した電源回路など、ゲーマーが求める要素にも抜かりはない。
定格派でグラフィックスカードも1枚挿しで十分。だけど機能には妥協したくないそんなユーザーにこそ使って欲しい、完成度の高い1枚だ。
協力:日本ギガバイト株式会社